最新記事
アジア

「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナムで、対中感情の大変化が起きている理由

2025年10月18日(土)18時06分

「待った甲斐があった。とてもかっこよかった。動きがぴったり合っていてすごい」と話したのは、ホーチミン市からやって来て中国部隊を見るために戸外で徹夜したレ・フエン・ミーさん(22)だ。軍事パレードの動画の中にはティックトックで330万回再生され、およそ1400件のコメントが寄せられものもあり、その多くは中国兵士の「完璧な」行進を称える内容だった。

ISEASのグエン・カク・ザン氏は「ベトナム人の若者はネット上で以前ほど中国に対して強硬ではなくなっているが、それは中国への反感が薄れたというよりも、国家によるナショナリズムの統制が一層強まっていることによるところが大きい」と指摘する。

ベトナムでは今もオンラインで反中キャンペーンが頻繁に行われており、特に南シナ海について中国寄りの地図を使用する企業が標的となる。ただ抗議活動は長続きしないことが多く、2018年当時とは様変わりしている。

当時、ベトナム政府が中国企業に有利とされる経済特区の設置計画を発表した際には反中デモが広がり、政府は計画の棚上げを迫られた。今では国境付近の新たな経済特区構想についてベトナム国営メディアが頻繁に報じても、抗議はほとんど起きない。

RMIT大学ベトナム校の研究者グエン・フン氏は「経済的利益がナショナリズムに勝っている」と話した。米国との貿易摩擦が激化する中、ベトナム政府は中国に対して実利的なアプローチを強めていると指摘する。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、不動産市場安定化へ 住宅供給改善策講じる方針

ビジネス

日経平均は一時2300円高、米株先物やアジア株高が

ワールド

再送中国、26年経済成長率目標「4.5─5%」に引

ビジネス

アメリカン航空のベネズエラ便6年ぶり再開、米運輸省
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中