最新記事
アメリカ

トランプを怒らせた男、深夜に帰還――キンメル休止劇と「検閲スイッチ」の正体【note限定公開記事】

The Last Laugh?

2025年10月5日(日)08時15分
ルーク・ウィンキー
発言を巡り謹慎となったジミー・キンメル

『ジミー・キンメル・ライブ!』は20年以上続いている看板番組。放送を再開した23日には、皮肉にも10年ぶりの高視聴率を記録した RANDY HOLMESーDISNEY/GETTY IMAGES

<トランプ陣営の怒りを買った司会者、ジミー・キンメルが復帰。番組は誰が止め、どう戻したのか。権力を笑い飛ばせない空気が漂い始めている>


▼目次
1.世論の逆流が動かした「再開」
2.謝罪はした。だが批判もやめない。
3.ブラックリストの時代が到来?

1.世論の逆流が動かした「再開」

突然の「無期限の放送休止」から約1週間、米ABCテレビの人気深夜番組『ジミー・キンメル・ライブ!』が帰ってきた。

経緯をおさらいしておこう。9月10日、保守系の若手政治活動家でドナルド・トランプ米大統領の熱心な支持者のチャーリー・カークが、西部ユタ州の大学構内でのイベント中に銃撃され死亡した。

事件について、司会者で人気コメディアンのジミー・キンメルは15日の番組でこう皮肉った。

「MAGA(アメリカを再び偉大に)一派は、犯人を『自分たち以外の誰か』と描くことで政治的な点数稼ぎをしようとしている」

この発言がトランプの支持者はもちろん、政権内でも怒りをあおった。

ブレンダン・カー連邦通信委員会(FCC)委員長は17日に、保守系コメンテーターのベニー・ジョンソンのポッドキャスト番組に出演。

自分はキンメルを番組から引きずり降ろせると自慢げに語り、放送免許取り消しをちらつかせた。

「穏便にやることもできるし、厳しくやることもできる」

ABCテレビの親会社ウォルト・ディズニーは意外なくらい従順だった。まず17日のうちに、番組を無期限で休止すると発表した。

すると、今度はリベラル派の怒りのうねりが押し寄せた。

長い間キンメルの番組を見ていなかった人々も、国家の検閲的な越権行為に恐怖を覚えたのだ。ディズニーは方針を翻し、22日には翌23日から放送を再開すると発表した。

2.謝罪はした。だが批判もやめない。

華々しい復活を前に、キンメルは民衆の英雄に祭り上げられていた。

何年も前から紋切り型のインタビューと視聴率の低迷という深夜番組の病理にからめ捕られていたキンメルは、司会者人生最大の見せ場である23日の放送でどう振る舞うのか。得意げに敵を挑発し、勝ち誇ってみせるのだろうか。

◇ ◇ ◇

記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。

【note限定公開記事】トランプを怒らせた男、深夜に帰還――キンメル休止劇と「検閲スイッチ」の正体


ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ

公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。

©2025 The Slate Group

ニューズウィーク日本版 2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月7日号(9月30日発売)は「2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡」特集。投手復帰のシーズンも地区Vでプレーオフへ。アメリカが見た二刀流の復活劇

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、さらなる軍事的手段開発へ 金氏「在韓米軍増

ワールド

イスラエルがガザ攻撃、数十人死亡と地元保健当局 停

ビジネス

政府機関閉鎖が最大の関心事、議会動向に注目=今週の

ワールド

アングル:トランプ政策で留学生減、財政難の米大学に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 4
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 5
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 6
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 7
    謎のドローン編隊がドイツの重要施設を偵察か──NATO…
  • 8
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 9
    「美しい」けど「気まずい」...ウィリアム皇太子夫妻…
  • 10
    一体なぜ? 大谷翔平は台湾ファンに「高校生」と呼ば…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 6
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 7
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 8
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 9
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中