最新記事
核開発

「均衡の崩壊」西側の圧力は限界...イラン核問題は振り出しに

2025年9月29日(月)13時00分

あるイラン政府高官は再発動直前に「制裁が復活すれば、われわれはIAEAとの関係を確実に見直す。査察制限が厳格化されるのは間違いないだろう」とくぎを刺した。

イラン国会は既にイスラエルによる空爆後、IAEAとの協力を一時停止し、査察受け入れには国家安全保障最高評議会の承認が必要とする法律を可決している。


 

IAEAとイランは今月、全面的な査察再開につながる合意に達したと発表したものの、それ以降目立った進展は見られていない。

E3の外交官らは、結局「対話と圧力」という2003年以来の戦略に回帰することになるだろうとの見方を示した。

不透明性が武器に

10年前と異なり、ロシアのウクライナ侵攻などを経て、核合意に加わった主要国間に溝が生じている。そのためイランに再び合意を迫るよう一致して圧力をかけるのは難しい。実際ロシアと中国は26日、国連安全保障理事会で最終的に否決されたものの、制裁再発動を回避する決議案を提出した。

それでもE3の外交官の1人は「イランのIAEAとの協力は既に限られ、今後一段と悪化する恐れはあるが、一足飛びに核拡散防止条約(NPT)脱退に至るとは思わない」と述べ、中国ないしロシアはイランが性急に核兵器保有へ動くのを容認しないだろうし、たとえ両国が容認しても、イスラエルが許さないと付け加えた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

モルドバ議会選、EU加盟推進の与党が過半数獲得

ワールド

中国共産党、来月20─23日に「4中総会」 5カ年

ワールド

中国、投資加速へ700億ドル規模の資金調達手段を導

ビジネス

アサヒグループHD、サイバー攻撃でシステム障害 受
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から思わぬものが出てきた...患者には心当たりが
  • 4
    「逃げて」「吐き気が...」 キッチンで「不気味すぎ…
  • 5
    シャーロット王女の「視線」に宿るダイアナ妃の記憶.…
  • 6
    マシンもジムも不要だった...鉄格子の中で甦った、失…
  • 7
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 8
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 7
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中