3月ロイター企業調査:7割が前年以上の賃上げ検討、26年度は4割が増益見通し
写真は2017年1月、都内で撮影。REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Tetsushi Kajimoto
[東京 19日 ロイター] - 3月のロイター企業調査で今年の賃上げについて聞いたところ、70%が前年と同水準、もしくはそれを上回る引き上げ幅を検討していると回答した。前年並みが55%、前年を上回るが15%だった。前年の平均賃上げ率は5.25%と、34年ぶりの高水準だった。18日に迎えた今春闘の集中回答日は、前年に続いて大手企業による満額回答が相次いだ。
調査は米国とイスラエルがイランを攻撃し始めて以降の3月4─13日に実施。発送企業は492社(資本金10億円以上の上場・非上場企業除く金融業)で、216社が回答した。
賃上げ率が前年を下回るとの回答も9%あった。21%は分からない・未定とした。
前年を上回ると答えた企業からは「雇用の安定と持続性を重視」(ゴム)、「業績好調と従業員のモチベーションアップ」(輸送機器)、「最低賃金改定のため」(小売)などの理由が聞かれた。前年並みを検討する企業からは「インフレ状況を見据えて、実質賃金の上昇を確保しなければならないとの価値判断がある」(機械)、「損益的には厳しい状況だが、一方で世の中の物価上昇あるいは賃金アップなどの環境の流れに逆らうのも難しいため」(電機)などの声があった。
具体的な賃上げ率を聞いたところ、3%以上5%未満と回答した企業が34%で最多だった。次いで5━7%未満が19%、1%—3%未満が16%だった。7%以上と回答した企業は1%、10%以上の賃上げを予定する企業はなかった。賃上げを実施しないとする企業も6%あった。
賃上げの原資にもなる2026年度の純損益の見通しについては、44%の企業が前年度比横ばいと答えた。一桁増益との回答が29%、2桁増益が11%あった一方、一桁減益も12%あった。2桁減益との回答は4%だった。
26年度の事業計画の前提となる想定為替レートは、76%の企業が1ドル=150円台、19%が140円台とみていた。160円超を想定している企業も3%あった。
今回の調査では、高市早苗政権が検討する飲食料品の消費税を2年間ゼロにする政策についても賛否を質問した。賛成は20%、反対は29%だった。過半数の52%がどちらとも言えないと回答した。
「需要増による売り上げの増加が見込まれる」(非鉄金属)、「物価上昇への対策に一定の効果を期待」(サービス)など歓迎する声がある一方、「物価高への緊急対応として意義は理解できる一方、財源・将来世代への影響を踏まえると慎重な検討が必至」(ゴム)、「消費者にとってはメリットが大きいが、外食産業への影響やシステム変更による業務負担などを考慮すると実際に恩恵があるか分からない」(運輸)、「過剰な金利上昇となるリスク」(鉄鋼)など慎重な対応を求める意見も多く聞かれた。





