日本の公的教育支出は、GDP比で見ても子ども1人あたりで見ても他の先進国より低い
日本は「教育立国」を掲げている割にはカネをかけていない photoAC
<北欧どころかアメリカ、韓国よりも、日本の政府は教育費に予算をあてていない>
2025年のOECDの教育白書が公表された。主な教育指標の数値が国別に掲載されている資料で、まず注目すべきは各国の公的教育費支出だ。政府は教育にどれほどカネをかけているか。これが少ないと、学校をはじめとした教育機関は財政難にあえぐこととなり、教育費の負担は家計にのしかかり、子育て世帯の生活も苦しくなる。
財政の規模が国によって違うので、公的教育費支出の実額をそのまま比べることはできない。上記の資料には、国別の比較ができるように加工された数値が載っている。まずは、各国のGDPに占める割合だ。各国が生み出した富の量に対して何%か。もう一つは、政府支出全体の中でのパーセンテージだ。政府支出(歳出)は社会保障費、防衛費、公共事業費等から成るが、それらを全部合算した支出全体の中で教育費は何%か。
2022年の日本のデータをみると、公的教育費支出の対GDP比は2.86%、政府支出に占める割合は8.04%となっている。この値を他国と比べるとどうなるか。横軸に前者、縦軸に後者をとった座標上に、OECD加盟の31カ国を配置すると<図1>のようになる。

日本は左下にあり、GDP比でみても政府支出比でみても公的教育費支出が他国と比べて少ない。右上はその逆の国で、アイスランドやスウェーデンといった北欧国、アメリカ、お隣の韓国もこのゾーンにある。各国の個別の事情はさておき、教育立国を掲げている割には、日本は教育にカネをかけていない。
上記のデータは、各国の年齢構成の影響を受けている可能性もある。イスラエルの教育費支出が多いのは子どもが多いからであって、逆に少子化が進んでいる日本では教育費支出が少ないのは当然、という見方もできる。日本の近くにあるギリシャやイタリアも、少子高齢化が進んでいる国だ。
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