北極に送られるロシアの政治犯...戦争による人手不足で強制労働が急増
「この体制では、常に心理的緊張を強いられる」とファティアノワさん。午前6時37分のバスに乗るには、さらに早起きして軽食を持っていかなければならないと話す。スケジュールを見る限り、受刑者らは週5日、昼食の1時間を含めて1日8時間働いている。
ファティアノワさんは現在、50人以上の女性らと共に矯正センターで暮らす。施設の全員が工業用地の清掃員として働いているという。
ファティアノワさんは人権活動家のスボロワさんを通じ、世界最大のパラジウムとニッケルを生産するロシアの金属生産大手ノルニッケルの従業員用のホステルで働いていることを示す証拠を共有した。
業務は肉体的労働を伴い、寮内やトイレ、シャワー、階段の掃除もあるという。
ロイターが確認した給与明細では、雇用主は「サービス・パートナー・タイミル」という会社で、7月分の給与は5万2150ルーブルとなっていた。求人情報会社ゴロドラボットによれば、同月のノリリスク市で働く清掃員の平均給与は6万8669ルーブルだった。
サービス・パートナー・タイミルの従業員のうち何人が強制労働者なのか、彼らがどこに配属されているのか、ロイターが確認することはできなかった。同社はコメントの要請に応じていない。
ノルニッケルはロシアの労働法と雇用法を厳格に遵守しているが、人材会社との契約詳細は商業上の機密事項であるとして開示していないと述べた。
ファティアノワさんは、同矯正センターでは政治犯として有罪判決を受けたのは自分一人だけで、監督者から嫌がらせの標的にされていると言い、自身の健康と安全を恐れていると語った。他の収容者の多くは、窃盗や薬物犯罪、借金の未返済などが理由だった。





