「世界の半分を道連れ」...パキスタン軍高官による「核の脅し」に、インドは「脅迫」と反発
Pakistan "Playing With Fire" on Nuclear Threat, Says Former Indian Official
米印関係の冷え込みが加速するかも
サランは「ムニールは友好国アメリカに滞在しながら、こうした発言ができるほどの自信を持っているようだ。(パキスタンが)アメリカからどの程度の容認や黙認を得ているのか、あるいは得られると思っているのかという疑問がインド国内では浮かんでいる」と語った。
「これは不必要で、挑発的で、全くもって根拠のない発言だ。このような発言が続けば、アメリカの利益にもインドの利益にもならない。アメリカにはムニールの発言の意図を見抜いてもらうことが重要だ」
インド外務省はこの発言を「核による脅迫」と表現した。
ムニールの核関連の発言は、米印関係が緊張している中で行われた。
8月6日、ドナルド・トランプ米大統領は、インドによるロシア産原油の継続購入を理由に、インドからの輸入品に50%の関税を課すと発表した。
他にも、2025年5月のインド・パキスタン停戦について、インドはこの停戦は二国間の決定だと述べているにもかかわらず、トランプは自身の仲介のおかげだと自身の手柄を繰り返し主張するなど、意見の食い違いが見られる。(参考記事:ノーベル平和賞が欲しいトランプ。次に首を突っ込むのはインドとパキスタンの対立?)
ムニールは、過去2か月間で2度もアメリカで歓待されている中で上述の発言を行っている。これにより、インドにおける米国への不満はさらに増幅する可能性が高い。
もうすでに、インドは長らくアメリカとの共通の敵と見做してきた中国やロシアとの関係を強化し始めている。

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