トランプが中国に譲歩し始めた...一体なぜ? 共和党内や支持者の間でも懸念の声広がる
Why China is Becoming Donald Trump's Biggest U-Turn
アメリカの目標は中国市場の対米開放?
だがH20型AIチップの輸出解禁は、トランプ支持層や共和党の一部関係者に不安をもたらしている。
ポッティンジャーや元大統領顧問スティーブ・バノンらが署名し、ハワード・ラトニック米商務長官に宛てられた7月28日付の書簡には、「H20はもはや時代遅れのチップなどではなく、中国の最先端AI能力を加速させる強力な推進力だ」と書かれている。
また、8月初旬には、トランプが台湾の頼清徳(ライ・チントー)総統からの「中南米歴訪中にアメリカを経由させてほしい」という要請を拒否していた事実が明らかになった。これは、台湾を自国領と主張している中国に外交的な勝利を与えたも同然だ。
上記の書簡に署名したハドソン研究所のマイケル・ソボリック上級研究員は、本誌に対し、「対中政策が変わりつつある背景には、いくつかの要因がある。トランプ政権は、中国市場の対米開放を重視するようになりつつあるため、今は協調路線が強まっている」と語った。
「中国共産党が、アメリカの足元を見て、レアアースを交渉カードとして使っていることも、関係者の一部が中国政府を刺激したくないと考える要因になっている」