トランプが中国に譲歩し始めた...一体なぜ? 共和党内や支持者の間でも懸念の声広がる
Why China is Becoming Donald Trump's Biggest U-Turn
アメリカの足元を見る中国
2025年4月、アメリカ政府は友好国・敵対国を問わず広範な関税措置を発動した。これは単に貿易赤字の是正や米製造業の復活を望んでいるのに加え、より不安定化する世界で、中国に対する技術的、軍事的優位を保つための措置でもあった。
アメリカは中国を貿易協定の交渉の場に引きずり出そうとしている。関税措置は米中技術戦争の新たな始まりを告げるものでもあったのだ。
習近平(シー・チンピン)国家主席率いる中国の反応は迅速かつ的確だった。中国はしばらくの間、報復関税という「やられたらやり返す」戦術を取っていたが、すぐに強硬手段に打って出た。アメリカが中国に対して高度な半導体の輸出を制限したのと同じように、アメリカ企業を中国のレアアースサプライチェーンから締め出し、自国の資源支配を武器化したのだ。
米中貿易交渉を注視してきた専門家らは、最近の対中交渉におけるトーンとアプローチの変化を感じているようだ。
7月には合意を取り付けるために過度に中国に歩み寄ったものとされる、象徴的かつ現実的な譲歩が見られた。
その中で最も注目されたのは、先端技術分野に関する問題だ。トランプ政権は、激しいロビー活動を受け、エヌビディアのH20型AIチップを中国に輸出することを認めた。この決定の背景には、同社のジェンセン・フアンCEOが「さらなる規制は中国の国産AI開発をむしろ加速させるだけだ」と主張したことがあった。