実はトランプ政権にも「クィアの閣僚」がいる...10年目の同性婚に訪れた「最大のピンチ」
FEARS FOR GAY RIGHTS
「トランプはこれを淡々と実行した」とイニスは語り、前民主党政権は「アイデンティティー政治」を重視しすぎたと批判した。ベッセントは「自分の仕事を熟知している有能なプロフェッショナルであり、ゲイの旗を振り回して歩いていない」。
しかし、24年の大統領選後にLGBTQ+の権利擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」が実施した世論調査では、LGBTQ+コミュニティーの84%が民主党のカマラ・ハリス前副大統領を支持。トランプ支持はわずか14%だった。
選挙前にGLAADが行った調査でも、民主党陣営よりトランプを支持する人は15%にとどまった。
トランプは24年の選挙戦中からトランスジェンダーのアスリートを繰り返し非難し、学校教育の「ジェンダー・イデオロギー」への懸念を語っていた。2期目の就任初日に、アメリカは男性と女性の「2つの性別のみを認め、これらの性別は変更できない」とする大統領令に署名した。
イニスは、こうしたトランプ政権の措置を「反トランスジェンダー」とはみない。「スポーツをする女子を保護したいという心情などの問題への配慮だ」
「私たちは理性的であるべきだ。誰もが存在する権利を持ち、自分にとって最良の生き方だと思うものを追求する権利がある。ただし、それは他者の権利を侵害する権利を意味しない。大統領はそういうことを伝えようとしているのだろう」