ISが狙う「イラン弱体化の隙」──混乱に乗じて広がる新たな脅威
A RENEWED ISIS THREAT
「イランがイスラエルとの紛争で大幅に弱体化すれば、イラン国内向けの治安機関や情報機関のリソースが外部の脅威への対応に回される可能性がある」と、ボリーンは言う。「そのような状況は、ISホラサン州が自分たちの敵と見なすシーア派政権へのテロ活動をエスカレートさせる絶好の機会になるだろう」
ISの戦闘員や彼らを支持する人々は、とりわけイランについては同国に多いシーア派イスラム教徒を「ラフィディ」という蔑称で呼び、軽蔑の念を抱いている。
今回のイスラエルとイランの紛争について、ISは機関誌アルナバの最新号で「ペルシャ国家とユダヤ国家の争い」と称して基本的には中立の立場を維持している。だがイスラエルによるイラン軍指導者の殺害を称賛して、こうも書いている。
「たとえイランが何千人ものユダヤ人を殺害したとしても、それによって彼らがイスラム教徒の友人や同盟相手になるわけではない。イランは不信心者のラフィディ国家であり、われわれの預言者の忠実な弟子や支持者に敵対的だからだ」