イスラエルとイランの12日間にわたる紛争は、トランプ米大統領の圧力のもと、不安定ながらも停戦が効力を発揮し始めた。両国の過去最大の軍事衝突の終結に向けた期待は高まりつつある。ただ、双方が停戦違反を巡り非難し合うなど、永続的な和平実現への難路は続く。

イスラエル軍は現地時間午後8時(日本時間25日午前2時)に全土での活動制限を解除し、テルアビブ近郊の主要空港であるベングリオン空港の再開を発表した。イランの空域も同様に再開されると、ヌールニュースが報じた。

 

イランメディアによると、ペゼシュキアン大統領は、同国が戦争を「偉大な勝利」で終結させたと表明。さらにサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子に対し、イランは米国との対立を解決する用意があると伝えたという。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルは何世代にもわたって記録される歴史的勝利を収めたと表明。同時に、イランに対する軍事作戦を完了させ、イスラム組織ハマスを打倒しなければならないとも語った。

こうした中、トランプ大統領は24日、オランダ・ハーグで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に向けて出発する前に記者団に対し、数時間前に発表した停戦にイスラエル、イラン両国が違反したと指摘した。双方を非難したが、特にテヘランへの新たな攻撃を発表したイスラエルに不満だと述べた。

イラン・イスラエルの紛争緩和に向けた停戦の発効に向け、不安定な状況が続いていた。双方は停戦合意の受け入れを認めるまでに数時間を要し、停戦違反を巡り非難を応酬。停戦の脆弱性と、両国間の永続的な和平実現の難しさを浮き彫りにした。

イスラエルとイラン間の不信感の深さを考えると、停戦維持を巡り大きな疑問符が投げかけられる。ただ、トランプ大統領が停戦を仲介した能力は、不安定な中東地域において米国が一定の影響力を維持していることを示唆した。

イスラエルのエヤル・ザミール参謀総長は、紛争の「重要な一章」は終結したが、イランに対する作戦はまだ終わっていないと指摘。同軍はパレスチナ自治区ガザ地区においてイランが支援するハマスとの戦闘に再び焦点を当てると述べた。



[ロイター]
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