世界一人口が増えているのはイスラム教徒――若さと出生率の高さで世界を席巻する勢い
Islam Is World's Fastest-Growing Religion
2020年、ムスリム人口が最も多かったのはアジア太平洋地域(12億人)であり、中東・北アフリカ(4億1400万人)、サハラ以南アフリカ(3億6900万人)でも急増していた。ムスリム人口が多い国には、インドネシア、パキスタン、インド、バングラデシュが含まれる。イスラム教が多数派を占める国・地域は世界に53あった。
専門家の見方
オックスフォード大学のイスラム研究者ファイサル・デブジ教授は本誌に次のように語った。「報告を読む限り、ムスリム人口の増加は宗教的帰属の変化というより、サハラ以南アフリカや中東における平均年齢の若さと高い出生率による自然な現象だ」
「むしろ注目すべきは、裕福な国々を中心に急増している『非宗教的な人々』の台頭だ。彼らはすでに世界人口の24%を超えており、制度的な宗教の衰退を示している。イスラムにおいて我々が注目すべきなのは、成長そのものではなく、現状での『持続性』だ」
ブリティッシュ・コロンビア大学のイスラム法専門家ルミー・アハメド教授は、「この10年で最も大きな人口動態の変化はサハラ以南アフリカだった。この地域では、健康状態と乳幼児死亡率の改善により、2010〜2020年の間に人口が70%以上増加した。この地域の約3分の1がムスリムだ。同じくムスリム人口が多い南アジアや東南アジアでも15〜20%の人口増が見られた。これらがムスリム人口の増加の主因だ」と述べた。