3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終

INSIDE THE EXECUTION ROOM

2025年5月29日(木)18時30分
ジョシュア・レット・ミラー(本誌米国版調査報道担当)

タンジの死刑が執行された日、刑務所の外には死刑制度に反対する約50人の活動家が集まり「命の終わりを決めるのは人間ではない」などと抗議(写真)。一方で賛成派も集結し、「死刑は犯罪の抑止力になる」と訴えた

タンジの死刑が執行された日、刑務所の外には死刑制度に反対する約50人の活動家が集まり「命の終わりを決めるのは人間ではない」などと抗議(写真)。一方で賛成派も集結し、「死刑は犯罪の抑止力になる」と訴えた DAVE HAFT

刑務所の外では、50人ほどの活動家が抗議の声を上げていた。アメリカでは、死刑制度の存廃は州によって異なる。フロリダ州は死刑制度を維持しており、タンジで今年3件目の執行となる。全米では11件目だ。

「マイケル(タンジ)も神がおつくりになった」と、ある死刑反対論者は言った。「彼も私と同じく神に愛されている。その命の終わりを決めるのは、人間であってはならない」

「死刑の代替策を求めるフロリダ州民」という団体は、「死刑は正義ではない」とする声明を発表した。それなのに州は「死刑が正義を実現する最善かつ唯一の方法だと、遺族をだましている」という。タンジは2歳の時から両親の虐待を受けていたのであり、「心身共に傷ついた男を捕まえて、担架にくくりつけ、意図的に殺すことは正義ではない。明らかな復讐だ」と批判する。


「今日はなんて美しい日だ」

刑務所の外には、死刑制度支持論者も集まっていた。「イカれた殺人鬼を始末しろ。あんな連中にうろうろされたらたまらない」と、ビル・キャンベルは語った。「(タンジは)女性を2人殺した。奴らにとって女性は格好のターゲットだ。そんなことはやめさせないといけない。死刑は犯罪の抑止力になると思う」

「今日はなんて美しい日だ」と、キャンベルはしみじみと言った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン最高安保委事務局長ラリジャニ氏が死亡=イスラ

ワールド

EU、ロシアとのエネ取引意向ない=カラス外交安全保

ワールド

EU、米国の「予測不能性」織り込み=カラス上級代表

ビジネス

仏ソジェン、国内リテール顧客向け証券保管事業の売却
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中