最新記事
ウクライナ戦争

成果ゼロの米ロ電話会談で見えた、トランプの「真の狙い」とは?...和平交渉から「手を引く」可能性も

What Trump Really Wants

2025年5月26日(月)14時33分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)
執務室で電話をかけるドナルド・トランプ米大統領

トランプはプーチンとの会談を自画自賛したが(写真は2021年) HOUSE SELECT COMMITTEEーAP/AFLO

<和平の見通しも示さず追加制裁もなし──2時間以上にも及んだ電話会談でトランプとプーチンは一体何を話したのか?>

ドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の5月19日の電話会談は2時間以上に及んだが、ウクライナ戦争終結に向けた進展は1インチもなかった。

この行き詰まりに驚く人は誰もいないはず──ただ1人、プーチンも平和を望んでいると語ったトランプを除いては。


トランプが戦争の早期終結を望むのは、米ロ関係改善だけが目的であり、それがウクライナの降伏を意味するのであればそれでもいいようだ。

トランプは、電話会談での「雰囲気や精神」は「素晴らしかった」と称賛した。プーチンは公式声明で、「率直で有益」だったと評した。だがよくよく注意すれば、どちらも和平の見通しについて一言も語っていないのは明らかだ。

ここ数週間、トランプは何度も「即時停戦」を呼びかけてきた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も支持したが、プーチンは決して賛成しなかった。

会談前に複数の欧州首脳はトランプに対し、プーチンに新たな要求を突き付けるよう促した。プーチンが和平に応じなければ制裁を追加するとつい最近まで息巻いていたはずのトランプは、彼らのこの要請を無視したようだ。

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日・EUなどとの貿易協定「解消」も、関税裁判敗訴な

ビジネス

米経済活動、大半でほぼ変化なし 物価上昇は緩やか=

ビジネス

米7月求人件数、17.6万件減 失業者数が求人数を

ワールド

プーチン氏「良識働けば協議で戦争終結」、 交渉不調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中