最新記事
中東歴訪

中東歴訪で史上最大の武器売却、トランプの大勝利セールスカタログ

Biggest Arms Deal in History a Win for Trump

2025年5月14日(水)17時35分
アミラ・エルフェッキ

次に訪問するカタールには、高性能無人機「MQ-9B」をおよそ20億ドルで売却する。この機種の中東への売却は初めてだ。中東最大の米軍基地を抱えるカタールの防衛能力を高める狙いがある。

トランプとカタールの関係には、最近厳しい視線が向けられている。カタール王室から「空飛ぶ宮殿」の異名を取る4億ドルの豪華航空機ボーイング747-8の贈与を受けると述べたからだ(ただし、カタールはまだ確認はしていない)。この航空機は、大統領専用機「エアフォースワン」として使用され、トランプ退任後は、同氏の大統領図書館へ寄贈されることになるという。

トランプとカタールとの結びつきは、ガザとイスラエルの停戦交渉をカタールが仲介したことで強まった。それ以前、2017年にはパレスチナのイスラム組織ハマスなどを支援する「資金支援者」と呼んでいたにも関わらずだ。

もっともそれを言えば、サウジのムハンマド皇太子が米情報機関が断定したワシントンポスト紙のジャマル・カショギ記者殺害の張本人であることも意に介さしていない。

トランプがリヤド(サウジアラビアの首都)へ向かっていたころ、米国務省は、大型輸送ヘリコプターのCH-47Fチヌークと関連装備を、推定13億2000万ドルでアラブ首長国連邦(UAE)に売却することを承認した。UAE今回の中東歴訪の最後の国で、やはり重要な同盟国のひとつだ。

「UAEはこれらの資産を、捜索・救助活動、災害救援、人道支援、対テロ活動に使用する」と、米国防安全保障協力庁は述べている。

(翻訳:ガリレオ) 

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米有権者、民主主義に危機感 「ゲリマンダリングは有

ビジネス

ユーロ圏景況感3カ月連続改善、8月PMI 製造業も

ビジネス

アングル:スウォッチ炎上、「攻めの企業広告」増える

ビジネス

再送-ユニクロ、C・ブランシェットさんとブランドア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 5
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 6
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 7
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 8
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中