最新記事
中南米

アメリカの裏庭で中ロが影響力拡大...トランプの「敵たち」は中南米をどう攻めている?

Great Power Chessboard

2025年5月7日(水)13時30分
エリー・クック(安全保障担当)
中南米は現在、大国同士が覇を競う「チェス盤」となっている

中南米は現在、大国同士が覇を競う「チェス盤」となっている AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA SHUTTERSTOCK AI

<アメリカの「裏庭」こと中南米で、中国、ロシア、イランが積極投資し影響力を拡大。トランプの恐喝外交で最後に笑うのは敵国なのかも>

ドナルド・トランプの言う「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」に、ラテンアメリカ(中南米諸国)は含まれない。パナマ運河は手に入れたいが、移民が勝手に入ってくるのは許さない。それがトランプ流だ。

4年ぶりでホワイトハウスに戻ってきたトランプは、早速不法移民を狩り集めて軍用機に押し込み、南米コロンビアへ強制送還した。しかし、この非人道的な措置に反発した同国政府は米軍機の着陸を拒否。するとトランプは、言うことを聞かなければ高率関税を課すと脅した。


仕方がない。コロンビアは折れて、(少なくともアメリカ側の発表によれば)トランプの要求の「全て」を「遅滞なく無制限に」受け入れた。

パナマ運河は中国が支配しており、そのせいでアメリカの船舶は不当に高い通行料を払わされている。トランプはそう断言してパナマ運河を取り返すと宣言した。これにはパナマ政府が猛反発し、トランプの主張は「虚偽」であり、「パナマ運河はパナマのものであり、今後もそうであり続ける」と切り捨てた。

ただし中国やロシア、さらにはイランが中南米で影響力を強めつつあるのは事実。アメリカとしては何とか押し返したいところだが、トランプ流の脅しが利く保証はない。

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

海底パイプライン破壊でウクライナ人逮捕、22年の爆

ワールド

米有権者、民主主義に危機感 「ゲリマンダリングは有

ビジネス

ユーロ圏景況感3カ月連続改善、8月PMI 製造業も

ビジネス

アングル:スウォッチ炎上、「攻めの企業広告」増える
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 5
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 6
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 7
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 8
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中