最新記事
トランプ関税

トランプ関税で大富豪支援者も離反「経済の核の冬」が来る

Donald Trump Loses Biggest Backers Over Tariffs: 'Economic Nuclear Winter'

2025年4月8日(火)18時24分
カレイダ・ラーマン
ヘッジファンド界の重鎮ビル・アックマン

ヘッジファンド界の重鎮ビル・アックマン(2015年、ニューヨーク証券取引所) REUTERS/Brendan McDermid

<イーロン・マスクも、自由貿易体制と価格メカニズムの重要性を説く新自由主義者ミルトン・フリードマンの神レクチャーを投稿。はっきりと反対の意思を示した>

ドナルド・トランプ米大統領の支持者の中でも指折りの大富豪2人が、トランプの関税政策に異を唱えている。

【動画】マスクが投稿したフリードマンの神レクチャー

パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントを率いるヘッジファンド界の重鎮で、2024年の大統領選挙でトランプを支持したビル・アックマンは、すべての輸入品を対象とした一律関税の実施をすぐさま停止しなければ、「経済版の核の冬」が来ると警告した。

一方、テスラの最高経営責任者のCEOで、政府効率化省(DOGE)で政府予算と人員に大なたを振るってきたトランプ側近のイーロン・マスクも、関税政策には異議を唱えた。

トランプは4月2日、ほぼすべてのアメリカの貿易相手を対象とする、広範囲に及ぶ新たな関税を発表した。トランプはこの際、アメリカは実質的にすべての輸入品に対して10%の「基本関税」を課し、加えて中国や日本、EUなど主要な貿易相手国にはそれよりはるかに高い相互関税を課すと述べた。中国は4日、アメリカに対する報復関税を発表した。

今回の急激な関税引き上げは、アメリカ国内、および世界の市場を不安に陥れ、ウォール街では2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来となる相場の下落に見舞われている。一部の専門家は、1987年の「ブラック・マンデー」のような相場の急落が起きる可能性があると警告し、複数のエコノミストは、貿易戦争が世界的な景気後退を引き起こす可能性について警鐘を鳴らしている。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中