ベトナムの「急ピッチ埋め立て」に中国の「奇妙な無言」...その背景とは?

ベトナムが埋め立てを行うスプラトリー諸島の柏礁 AMTI
<埋め立てを急拡大しているベトナムに対する、中国の微妙な反応について>
複数の国が領有権争いを続けるスプラトリー(南沙)諸島で、ベトナムが埋め立て面積を急拡大している。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)傘下のアジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)の報告によれば、2024年前半だけで約280ヘクタールの土地を造成した。
その後も「猛烈なペース」で埋め立てを続け、これまでに南シナ海で浚渫(しゅんせつ)や埋め立てを行った面積は約1343ヘクタール。これは中国が造成した土地の7割強に相当する。
奇妙なのは、中国がベトナムの行動にほとんど言及していないことだ。
フィリピンが同地域に駐留する部隊に補給を試みた際には、強硬な対応を取ったのだが。ベトナムが、アメリカ寄りではない姿勢を示すのに成功しているのも一因だろう。
もっとも中国は今年2月、ベトナムが実効支配する柏礁に滑走路を完成させた際は正式に抗議した。今後は、ベトナムに対しても強硬姿勢を取るのかどうか。

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