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荒川河畔の「原住民」(26)

「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生活保護受給者...

2025年3月28日(金)19時05分
文・写真:趙海成

この活動の主催者はキリスト教の慈善団体だ。そのため、食品を配る前には牧師の説教や信者の体験談、聖歌演奏、祈祷など、いくつかの儀式が行われた。全体の過程は厳かだが、雰囲気は終始穏やかな様子だった。

13時頃、無料で食品を配り始めた。

当日は300人分のファストフードや飲み物などが用意され、来場者は全員もれなく食品をもらえるそうだ。

一般的に、炊き出しに提供される食品には、お弁当やパン、おにぎり、アルファ化米(非常食などに使われる、加水加熱後に乾燥させた米)などの主食もあれば、コーヒーやジュース、お茶などの飲料もある。たまに、飴やチョコレートなどのお菓子や、果物もあるという。

主催者の細やかな手配のおかげで、炊き出し現場は静かで、列に割り込んだり争ったりする様子もなく、皆が手に番号を持ちながら、黙って列に並び、食品を受け取っていた。

その空間は、平和的で、温かく感じた。

炊き出し

食品を受け取るために静かに列に並ぶ人々

生活保護受給者と出会い、生の声を聞いた

今回の「炊き出し現場の見学」はとても勉強になっただけではない。ある生活保護受給者との出会いから、ホームレスではないが炊き出しに来る人の生の声を聞くことができた。

キリスト教の儀式が始まる前に、60代に見える男性が私のところに来て、こう尋ねた。

「今日はここで無料の食べ物をもらえますか?」

私は、「はい。もう少し待てば、食べ物を配り始めると思います」と答えた。

「まずは受取番号をもらう必要があるらしいですよ」と付け加えた。

男性は私に感謝の言葉を言って去って行った。

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