アサドが消えても混乱続く...シリア国民が考える、復興に必要なもの

THE AFTERMATH OF A TRAGEDY

2025年3月21日(金)18時50分
伊藤めぐみ(ジャーナリスト)

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PETER HERMES FURIAN/SHUTTERSTOCK

刑務所での拷問などアサド政権の非人道的行為について尋ねても、「私たちはそのことについては最近まで全く知らなかった。側近がやったことで、アサド大統領のしたことではないはず。それにそういう刑務所の問題は中東のどこでもあること。シリアに限ったことではない」と、かばった。このような意見を持つ人は都市部ではなく、地方のアラウィ派やシーア派に多いという。

実際、暫定政権の下では安全に暮らせないと、シリアから隣国のレバノンに逃れている少数派宗教の人たちもいる。関係者への取材によるとレバノンに逃れたシーア派住民は13万人に上るという。


この雑貨店の女性のように、アサド前政権を積極的に支持する人もいるだろう。一方で、積極的に支持はしていないが、暫定政権への不安から前政権のほうが自分たちの安全を確保してくれると考え、揺れ動く人もいるだろう。後者からの信頼をどれだけ暫定政権が得られるようになるかが、今後の安定の鍵となる。

シリア人に必要なものは「時間」

暫定政権の政策だけでなく、国民の感情も今後、注視が必要だ。

中部の街ホムス、沿岸部のラタキア、タルトゥースなどで12月下旬にアラウィ派による街頭行動があった。アラウィ派の重要な建物が攻撃された映像が広まったことが原因だった。HTSが完全に政権を掌握する以前の混乱の中で起きた事件だったが、街頭行動では死者も出た。デモが広がった背景には隣国イランが少数派の不安をあおったこともあり、デモにはアサド政権の残党も加わっていたとされる。

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