最新記事
パレスチナ紛争

イスラエルはなぜ大規模ガザ攻撃を再開したのか、この先何が起こるのか

Why Did Israel Restart the War in Gaza?

2025年3月19日(水)19時28分
ジョン・ホルティワンガー
ネタニヤフに抗議するイスラエルのデモ

ガザ攻撃再開の翌日、ネタニヤフ政権に抗議、人質解放を求めるイスラエルのデモ(3月19日、エルサレム)

<ガザ空爆の再開で、微妙だった停戦状態は崩壊し、400人以上が犠牲になり、まだ生きている人質も危険に晒されることになった>

イスラエルは3月18日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対する大規模な空爆を再開した。これによってすでに揺らいでいた停戦と、数万人のパレスチナ人を殺害し、ガザを廃墟にした壊滅的な戦争を終わらせたいという熱い希望は打ち砕かれた。ガザ保健省によれば、この日のイスラエル軍の攻撃で400人以上が死亡した。

ベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエル首相府は声明で、今回の空爆はハマスが人質の解放と停戦延長の提案を拒否したためだと説明。「今後、さらに強い攻撃を行う」と述べた。

イスラエル国防軍は、今回の攻撃は「先制的」なものだと発表。「ハマスは再びテロ攻撃を実行し、戦力を増強し、武装する準備を整えたという事実に基づいている」と表明した。ガザ攻撃から17カ月経った今でも、ハマスを自国の安全保障に対する深刻な脅威と見なしているのだ。

攻撃は「必要な限り継続し、空爆以外にも拡大する」という。

アメリカは、今回の空爆に先立ってイスラエルから相談を受けたことを明かし、空爆はハマスのせいだと非難した。

「敵対行為再開の責任は、もっぱらハマスにある」と、ドロシー・シェア米国連大使代行は18日の安全保障理事会で主張した。

だがハマス側は、イスラエルが停戦合意を覆し、人質の命を危険にさらしていると非難した。

日本
【イベント】国税庁が浅草で「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録1周年記念イベントを開催。インバウンド客も魅了し、試飲体験も盛況!
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

加州高速鉄道計画、補助金なしで続行へ 政権への訴訟

ワールド

コソボ議会選、与党勝利 クルティ首相「迅速な新政権

ワールド

訂正中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30

ビジネス

中国、無人航空機を正式規制 改正法来年7月施行
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中