最新記事
トルコ

クルド人組織PKK指導者、武装解除と組織解散を呼びかけ...「闘争終結」訴えるもPKK本部は反応なし

2025年2月28日(金)11時31分
PKK闘争終結を訴えた指導者のオジャラン受刑者

トルコがテロ組織に指定する武装組織クルド労働者党(PKK)指導者のアブドラ・オジャラン受刑者は27日、組織の武装解除と解散を呼びかけた。写真は2月27日、マルマラ海のムラル島刑務所で撮影(2025年 Peoples' Equality and Democracy Party/Handout via REUTERS)

トルコがテロ組織に指定する武装組織クルド労働者党(PKK)指導者のアブドラ・オジャラン受刑者は27日、組織の武装解除と解散を呼びかけた。40年にわたるトルコ政府との対立に終止符を打ち、地域の政治や安全保障に大きく影響する可能性がある。

PKKが武装解除すれば、エルドアン大統領にとって、これまで数千人が死亡し、地域経済が荒廃するトルコ南東部を発展させる歴史的な好機となる。

隣国シリアでは新政権が国家再建を目指す中、クルド人勢力の支配地域である北部で支配力を強める可能性があるが、和平が実現すれば、石油が豊富なイラク北部でも恒常的な火種を取り除くことができる。


オジャラン受刑者は、親クルド派トルコ野党の人民平等民主党(DEM)が公開した書簡で「私は武器を置くよう呼びかけており、この呼びかけの歴史的責任を引き受ける」と表明した。

イラク北部の山岳地帯にあるPKK本部はこれまで、オジャラン受刑者の呼びかけに反応していない。

一方、クルド人主体の組織「シリア民主軍(SDF)」部隊のマズロウム・アブディ司令官は、オジャラン受刑者の呼びかけはPKKのみに適用され、「シリアのわれわれとは関係ない」と述べた。

オジャラン受刑者は親クルド派の政治運動ではなお重視されているが、PKKの戦闘員らに影響力が残っているかは定かではない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中