最新記事
ヨルダン川西岸

ガザの仇?ヨルダン川西岸の待ち伏せ攻撃でイスラエル人3人が死亡

West Bank Bus Ambush Leaves 3 Israelis Dead

2025年1月8日(水)11時04分
シャノン・マクドナー
ヨルダン川西岸のパレスチナ人ガンマン

ヨルダン川西岸でイスラエル兵に殺された17歳の少年の葬儀で武装したパレスチナ人 Nasser Ishtayeh / SOPA Images via Reuters Connect

<イスラエルとハマスの停戦交渉に注目が集まるなか、パレスチナのもう一つの火薬庫、ヨルダン川西岸の治安はますます悪化している>

1月6日、パレスチナのヨルダン川西岸地区にあるアル・フンドゥク村の近くで、バス1台を含む車列が銃撃され、イスラエル人3人が死亡、7人が負傷した。

銃撃は、この地域を横断する55号線で発生した。毎日何千人ものパレスチナ人とイスラエル人ドライバーが利用する幹線道路だ。イスラエルの救護団体「ダビデの赤盾社(MDA)」によると、60代の女性2人と、40代の男性1人が死亡した。また、バスの運転手を含む7人が負傷した。

イスラエル軍の大規模な報復も含め、ガザ地区のイスラム勢力ハマスとイスラエルの停戦交渉にも影響を与えかねない。

西岸地区の情勢はこの1年でますます悪化している。国連の人道問題調整事務所(OCHA)の報告では、1日に平均4件の暴力事件が発生。パレスチナ保健省によると、ガザ地区での戦闘開始以来、西岸地区でもパレスチナ人の死者が800人超に上り、その大半は、イスラエルによる軍事作戦や、イスラエル人入植者との衝突で死亡している。

西岸地区には、約300万人のパレスチナ人と50万人超のイスラエル人入植者が暮らしている。イスラエル軍の支配下にある同地区では、両者の衝突が絶えない。

今回の銃撃は、西岸地区北部にあるイスラエル人入植地ケドミム付近で発生した。イスラエル当局が「激しい攻撃」と表現するこの銃撃では、55号線を走行中だったバス1台を含む複数の車両が標的となった。複数の方向から発砲があったとする目撃者の話は、これが組織的な待ち伏せ攻撃であった可能性を示唆している。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、就任初日に関税発動見送りへ ユーロ・ポ

ワールド

トランプ氏、メキシコ国境で非常事態宣言へ 出生地主

ワールド

プーチン氏、トランプ氏就任を祝福 ウクライナ巡る対

ワールド

フーシ派、イスラエル関連船舶のみを標的に ガザ停戦
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブーイングと擁護の声...「PR目的」「キャサリン妃なら非難されない」
  • 3
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ?(ショベルカー・サイドビジネス・シーサイドホテル・オーバースペック)
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    台湾侵攻にうってつけのバージ(艀)建造が露見、「…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 8
    身元特定を避け「顔の近くに手榴弾を...」北朝鮮兵士…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    なぜリベラルは勝てないのか?...第2次トランプ政権発…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中