最新記事
パワーポリティクス

韓国大統領「全員拘禁しろ」戒厳部隊の3つの作戦チームによる逮捕対象には与党代表も含まれていた

2024年12月10日(火)10時44分
ミッチ・シン(ディプロマット誌)
韓国大統領の戒厳令「この機会に全員拘禁しろ」戒厳部隊の3つの異なる作戦チームによる逮捕予定者には与党代表も含まれていた...

韓国国会で記者団に囲まれる国民の力党の韓東勲代表(12月6日) AP/AFLO

<非常戒厳(戒厳令)宣布から、弾劾訴追の採決に至る、大統領・与野党の指導者、軍を巻き込んだ政治闘争の裏側>

韓国与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は12月6日、3日の非常戒厳(戒厳令)宣布に伴い戒厳部隊が国会に派遣された際、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官に対し、韓自身を含む政治指導者の逮捕を命じたことを確認したと述べた。

この主張を最初に持ち出したのは、最大野党「共に民主党」の趙承来(チョ・スンレ)首席報道官だった。

趙は記者団に対し、戒厳部隊の3つの異なる作戦チームが禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表、そして韓を逮捕しようとしたと述べた。趙によると、これらの作戦の模様は国会内に設置された防犯カメラに映っていた。


国家情報院の洪章元(ホン・ジャンウォン)第1次官によれば、戒厳部隊が逮捕を試みた政治家はほかにもおり、全員が野党関係者だという。

尹は非常戒厳を宣言するテレビ演説の中で野党政治家、特に国会議員を「反国家勢力」と指弾。この措置を正当化した。洪によれば、尹は3日夜、「この機会に全員拘禁しろ」と洪に告げたという。逮捕リストの中で国民の力党のメンバーは韓だけで、与党代表と大統領との確執を示している。

韓は5日、7日に予定されている野党による弾劾訴追を断固阻止すると強調したが、6日の党の緊急会議では一転、弾劾という言葉は使わなかったが、「国を守るために尹大統領の職務停止が必要だ」と発言した。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

ウクライナ提案のクリスマス停戦、和平合意成立次第=

ビジネス

EUの炭素国境調整措置、自動車部品や冷蔵庫などに拡

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中