最新記事
中東情勢

ヨルダン川西岸で拡大するイスラエル入植地...「トランプ2期目」に期待の声

2024年11月27日(水)21時23分

ユダヤ人入植地を支持する人々にとって、聖書とのつながりは、国際法がどうであれ、彼らがそこで暮らす権利を与えるものである。

「ビザンチン帝国、ローマ帝国、マムルーク朝、オスマン朝...何者に支配されようとも、ここは私たちの土地だった」とメダッド氏は語る。

したがって入植推進派は「併合」という言葉を拒否する。他国の領土を取得するという意味合いが感じられるからだ。2023年には、西岸地区での入植地建設が過去に例のないレベルに達した。昨年10月にガザ侵攻が始まって以来、多くの道路が新設され造成工事が展開されたことにより、西岸地区の丘陵地帯の風景は目に見えて変わった。


 

バイデン政権からの批判も、これを制止する効果は全くなかった。

その一方で、シロ周辺も含め、西岸地区のパレスチナ人住民に対するユダヤ人入植者の暴力行為はエスカレートし、国際的な非難が高まり、米国、欧州からの制裁へとつながった。今週も、暴力行為の中心だったとされる個人に対する制裁が追加されている。

ガンツ議長をはじめ入植者の指導者たちは、自分たちの運動に暴力が介在する余地はないとしている。入植者らは、自分たちがパレスチナ側の街や都市に近い地域に展開することで、イスラエルの他の部分の安全保障を担っているのだと主張している。

「否定できない事実」

「ユダヤの人民はイスラエルの土地に対する自然権を有する」とする連立合意のもとでネタニヤフ政権が就任して以来、西岸地区におけるイスラエルの立場を強化するために一連の措置が実施されてきた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア決算に注目、AI業界の試金石に=今週の

ビジネス

FRB、9月利下げ判断にさらなるデータ必要=セント

ワールド

米、シカゴへ州兵数千人9月動員も 国防総省が計画策

ワールド

ロシア・クルスク原発で一時火災、ウクライナ無人機攻
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋肉は「神経の従者」だった
  • 3
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく 砂漠化する地域も 
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 6
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 7
    一体なぜ? 66年前に死んだ「兄の遺体」が南極大陸で…
  • 8
    『ジョン・ウィック』はただのアクション映画ではな…
  • 9
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 10
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 9
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子…
  • 10
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中