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北朝鮮からの「援軍」で、ウクライナの戦況はひっくり返るのか...金正恩の思惑と、戦争への影響とは?

North Korea Ups the Stakes

2024年10月31日(木)17時01分
キース・ジョンソン(フォーリン・ポリシー誌記者)

実際、金正恩(キム・ジョンウン)総書記にとって目先のメリットは、現代型の戦争、とりわけ無人機(ドローン)を使った戦争を北朝鮮軍に経験させることだと、韓国の軍事専門家らは語る。ベトナム戦争のとき、アメリカを支援した韓国は、その見返りに軍の近代化を実現した。今回、それと同じことが北朝鮮にも起こるかもしれない。

大国ロシアを助けたことで自信をつけた金が、朝鮮半島内外で一段と大胆な行動に出る可能性もあると、米スティムソンセンターの北朝鮮専門家であるレイチェル・リーは語る。「金はプーチンに貸しをつくったから、今後いざというときにロシアを頼りにすることが増えるだろう」


それだけに欧米諸国は、朝鮮半島有事のとき、中国の関与だけでなく、「ロシアのプレゼンス拡大を心配しなければならない」と、リーは言う。

北朝鮮軍のロシア派遣は世界に影響を及ぼすか?

まさに、それがいま恐れられていることだ。既に韓国はNATOとの情報共有を強化している。マルク・ルッテNATO事務総長は10月21日、北朝鮮軍のロシア派遣は「(戦争の)大幅なエスカレート」だと述べ、韓国との外交・防衛協議の拡大を強調した。

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