最新記事
中東

イスラエルが報復攻撃 イランは融和的な姿勢、イスラエルが伝えたい「メッセージ」は

2024年10月27日(日)15時13分

元国連核兵器査察官のデービッド・オルブライト氏は衛星画像に基づくと、テヘラン近郊のパルチン軍事施設が攻撃を受け、弾道ミサイルエンジン用の固体燃料を混合する建物などに被害が出たもようとの見方を示した。

米シンクタンクCNAのアナリスト、デッカー・エベレス氏は、イスラエルが広大なミサイル生産施設があるテヘラン近郊のホジルも攻撃したと述べた。

<エネルギー・核施設は含まれず>

米政権高官は今回の攻撃について、イランが実施した先の攻撃への相応の対応で、的を絞った形で行われ、民間人に被害を与えるリスクが抑えられたとの認識を示した。また、イランとイスラエルの直接的な砲撃の応酬はこれで終わりにすべきとの考えを示した。

米当局者はイスラエルから攻撃前に通知があったが、米国は作戦に関与していないとロイターに語った。攻撃目標にエネルギー施設や核施設は含まれていないと述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルは米国の指示ではなく自国の国益に基づいて攻撃目標を選んだと述べた。

バイデン米大統領は、今回の攻撃は軍事目標のみを狙ったようだとし、これで「終わり」となることを望むと話した。

ハリス副大統領は、「緊張緩和が必要というのが米国の確固とした立場だ」と強調した。

テルアビブの国家安全保障研究所のイラン専門家ベニ・サブティ氏は「イスラエルはイランに対し(報復が)終了し、事態をエスカレートさせたくないというメッセージを送りたいのだろう」と分析した。

オースティン米国防長官は声明で、「(イランは)イスラエルの攻撃に応じるという過ちを犯すべきではない」と訴えた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=

ビジネス

インタビュー:高付加価値なら米関税を克服可能、農水

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中