最新記事
日本政治

「理性的で賢く堅実だ」石破首相、 独自路線の「安全保障政策」を米国務省の元日本部長はどう見たか

The Importance of Collective Security

2024年10月23日(水)19時03分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)

newsweekjp20241023020848-c38a77ced0ac7b9e5436d62cd06c599b231a0f0c.jpg

メアは自衛隊が台湾防衛に作戦上の貢献をするよう期待したいとも語った ISSEI KATOーREUTERS

──アメリカ政府はどうみているのか。

安倍、菅、岸田、石破と政策が継続し、自国の防衛力を強化する道を続けるとみられるので歓迎しているだろう。そして日本の防衛だけでなく、地域全体の安全保障に貢献するため、アメリカとより対等なパートナーになろうとしている。日本のその方向性は根本的に変化しないだろう。


──アジア版NATOの主張をどうみるか。

石破は、より地域的な協力の必要性を理解していると思う。日米関係は地域のハブ的な存在になっているが、日本は韓国、オーストラリア、フィリピン、将来的には他の国々とも防衛面での協力が必要になる。総選挙が終わった後、本当の意味で深い議論ができることを願っている。

アジア版NATOについても、私は議論を歓迎する。ただNATOでは加盟国への攻撃は他の加盟国への攻撃であるとの規定があり、日本は憲法9条を改正する必要があるかもしれない。とはいえ最も重要なのは、そのために政治的な時間と政治的資本を費やすことより、日本の防衛能力を構築することにある。

──日米地位協定を改定すると言明しているが。

発言をよく聞くと、本来の目的は地位協定を改定することではないのではないか。ワシントンでも石破の発言を誤解している人もいるだろうが、彼が本当に言いたいのは、米軍基地を今以上に共有して使用するといったことだろう。

これは日本が自衛隊の能力を強化する必要性をより認識するようになっているということであり、米政府からは非常に歓迎される。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P小幅安、FOMC結果待ち

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、雇用市場に依然底堅さ

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、FRBの政治介

ワールド

ウクライナ、和平計画の「修正版」を近く米国に提示へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中