コワモテ国家ハンガリーが、異次元の優しい家庭政策で出生率アップに成功している

HUNGARY’S MAGIC WAND

2024年10月23日(水)19時46分
此花わか(ジャーナリスト)

newsweekjp20241023101613-0f12d8494abec6f2dc3a6f772ba557172fb3277e.jpg

ノバーク前大統領(中央)とその家族 COURTESY OF NOVÁK KATALIN

ハンガリーでは法律で残業が認められているのは年間250時間以内。一方、日本は360時間以内。OECDは「長時間労働=週50時間」と定義しており、日本人の15.7%が週50時間以上働く(OECD41カ国中36位)半面、ハンガリーは1.5%しかいない(OECDで8位)。

「ウェルビーイング」とは、幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて、満たされた状態で持続的な幸福を指すが、ハンガリー政府は子どものウェルビーイング施策の1つとして、「エリザベス・プログラム」に今年、2280万ユーロ(約37億円)を費やした。


これは観光地として人気のバラトン湖の畔にある別荘で行われる、ヨーロッパ最大のキャンプで、子どもたちが長期休暇を過ごせる幅広いアクティビティーが提供されている。12年から24年まで計約140万人の子どもたちが訪れた。

このように「ワークライフバランス」や「子どものウェルビーイング」など、「国民は心身共に満たされ幸福であるべきだ」という視点がハンガリーの家族政策の重要な軸となっている。

さらに、家族政策における住宅購入補助プログラムは建築業界の雇用を生み出し、11.2%だった10年の失業率が22年には3.6%まで下がった。「人々は家と同時にさまざまな商品やサービスを買います。つまり、これは経済全体が活性化されるということ。課題はありますが、税収も上がり経済効果を出しました」とハンガリー国際問題研究所のバシャ・ラースロー博士は言う。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米セレブラスとアマゾン、新サービスへの半導体供給で

ワールド

トランプ氏、ホルムズ海峡連合の週内発表目指す=米ニ

ビジネス

中国「米国が再び通商法301条を乱用」、不公正貿易

ビジネス

午前の日経平均は続落、原油高を嫌気 一時700円超
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 6
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 7
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中