最新記事
米大統領選

トランプを「バカ」と揶揄した副大統領候補...「39歳ベストセラー作家」J.D.バンス上院議員とは?

2024年7月16日(火)19時55分

6月にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「私はトランプ氏の発信スタイルに注目するあまり、外交政策や貿易、移民問題で違いを鮮明にしていたことに完全に気づいていなかった」と述べた。

例えば、自由貿易が国内製造業を壊滅させて中間層の空洞化を招いたという見解や、歴代大統領が拙速に外国の戦争に巻き込まれたという主張に同意しているとした。


 

バンス氏は今回、ロイターの取材に応じなかった。

同氏がトランプ氏と意見が一致しているとみられる政策の一つは人工中絶への対応だ。

バンス氏は21年のインタビューで、レイプや近親相姦の被害者でも出産するよう義務付けられるべきとの考えを示唆し、昨年11月にはオハイオ州憲法に人工妊娠中絶の権利を明記することになった住民投票の結果を「腹を殴られた」と表現した。

トランプ氏との関係

事情に詳しい複数の関係者によると、バンス氏はトランプ氏と関係を築く前に、同氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と親密になった。

このうち1人によると、バンス氏が22年のオハイオ州上院選共和党予備選でウクライナ支援に反対し、他の候補と意見が対立したことがジュニア氏の目に留まったという。

バンス氏とトランプ前大統領の個人的な関係は、今年初めの大統領選予備選の間に進展。バンス氏は今回副大統領候補に名前が挙がった複数人の一部よりも早い23年1月にトランプ氏支持を決め、忠誠心を鮮明にしていた。

資金調達活動に詳しい関係者によると、バンス氏は舞台裏で富裕層の献金者にトランプ氏への寄付を働きかけてきた。

バンス氏の国内大企業への懐疑的姿勢、関税支持、外交関係への意欲の低さ、そしてその若さは、支持者の目に大企業よりも労働者階級を重視する新しい共和党の代表として映るだろう。

バラッソ上院議員は「共和党の候補者として米国の家庭が感じている痛みを他の誰よりもうまく表現できるはずだ」とバンス氏を評した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、日本など45カ国のビザ免除措置を来年末まで延

ビジネス

MUFG主導の気候金融ファンド、6億ドル調達

ビジネス

米財務省、第4四半期借入額見通しは5690億ドルに

ビジネス

米株式市場はAIブームの限界を見落とし=ブリッジウ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中