最新記事
ウクライナ情勢

森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆発...死者60人以上の攻撃「映像」ウクライナ公開

HIMARS strikes Russian troops hiding in forest: Video

2024年6月14日(金)19時19分
イザベル・バンブルーゲン
ウクライナHIMARSがロシア軍部隊を攻撃

米軍のHIMARS(2022年9月) Ints Kalnins-Reuters

<ウクライナ南部のロシア占領地域で行われたHIMARSによる攻撃。ロシア軍が甚大な被害を被った瞬間をドローンが撮影>

ウクライナ軍は、同国南部にあるロシア軍占領地域の森に身を潜めていたロシア軍の部隊を高機動ロケット砲システム(HIMARS)で攻撃し、複数の死者を含む甚大な被害を与えたと発表した。攻撃の様子は撮影されており、実際に兵士や車両などが集まっている場所で大きな爆発が起こり、生き延びた兵士たちが逃げ出す様子が捉えられている。

■【動画】身を潜めるロシア兵士たちを狙う容赦ないHIMARS攻撃...死者60人以上 攻撃の瞬間をウクライナ公開

ウクライナ軍特殊作戦部隊(SSO)はテレグラムへの投稿の中で、「第73海上特殊作戦部隊のドローン(無人航空機)要員が南部方面で偵察を行っていたところ、ロシア軍の兵士らが集まっている場所を見つけた」と述べ、攻撃の様子を撮影した動画を共有した。

投稿はさらに「SSOはロシア軍の兵士らが集結していた南の区域を狙ってHIMARSで攻撃を行った」と続けた。「この攻撃の結果、ロシア軍は甚大な損失を被った」

アメリカからHIMARSの供与を受けたことで、ウクライナはロシア軍の最新鋭対空ミサイルシステムを破壊することができるようになった。HIMARSは3年目に突入しているウクライナとロシアとの戦闘において、広く使用されてきた。戦闘開始以降、アメリカ政府はウクライナに少なくとも39基のHIMARSを供与している。

昨年にはHIMARSがロシア軍大隊を攻撃した時の動画も

SSOが共有した動画には、爆発の後に分厚い黒い煙が立ち上る様子が映っている。ウクライナ国防省も同じ動画をX(旧ツイッター)上で共有し、「HIMARSが南部の占領者たちに挨拶した際の様子」という言葉を添えた。

本誌はこの動画の撮影時期や場所について独自に確認を取ることができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたがこれまでに返答はない。

ウクライナ軍はこれまで幾度にもわたって、HIMARSでロシア軍の部隊を攻撃してきたと報じられている。2023年10月には、HIMARSがロシア軍の大隊を攻撃した後の様子を撮影したとされる動画が公開された。

オープンソース・インテリジェンスを活用したウクライナのウェブサイト「DeepState」は今回の攻撃について、ロシア軍の占領下にあるウクライナ南部ヘルソン州のポド・カリニウカ村近郊の訓練場を標的としたものだと分析した。英BBCのロシア語サービスもウクライナ軍特殊部隊の関係者から得た情報を引用し、同訓練場を狙った攻撃が行われたと報じた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

物価は再び安定、現在のインフレ率は需給反映せず=F

ワールド

ハセット氏のFRB議長候補指名、トランプ氏周辺から

ワールド

ゼレンスキー氏と米特使の会談、2日目終了 和平交渉

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 9
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中