最新記事

黒海艦隊

黒海艦隊司令官は生きている?──死亡と発表したウクライナ特殊作戦軍が調査

Ukraine Investigating After 'Dead' Russian Admiral Seen at Press Conference

2023年9月27日(水)15時05分
トーマス・キカ

ロシアが公開した動画に「生きて」表れたソコロフ New York Post/YouTube

<ウクライナの攻撃で死亡したはずの黒海艦隊司令官がショイグ国防相らと共に会議に出席している映像をロシアが公開。正しいのはどちらか>

<動画>劇的!ストームシャドウが着弾した黒海艦隊司令部

ミサイル攻撃で戦死したとされていたロシアの黒海艦隊司令官、ビクトル・ソロコフ提督が「生きた証拠」としてロシアのオンライン会議の映像に登場したことについて、ソロコフは「死亡」したと発表したウクライナ当局は9月26日、現在調査中だと話した。

前日の25日には、ウクライナ特殊作戦軍が数日前にクリミア半島のロシア海軍黒海艦隊司令部にミサイル攻撃を実施し、成功したと報告していた。さらに、この攻撃によりロシア軍の105人が負傷、34人が死亡した。ウクライナにとって重要な標的であるソコロフも死亡した、と主張していた。

ロシア側はソコロフの死は認めておらず、セバストポリにある司令部が損傷し、将校1人が死亡したと述べるにとどまった。それものちに修正され、「作戦行動中に行方不明」に訂正された。

「死亡説」に反論するかのようにロシア国防省は26日、テレグラム上に死亡したはずのソコロフが登場する会議の画像を共有した。

ウクライナ特殊作戦軍は、この食い違いについて調査を開始しており、ミサイル攻撃による死者に関するデータを収集し、はっきりさせようと試みている、と「ウクラインスカ・プラウダ」は報じている。ウクライナ特殊作戦軍はまた声明で次のようにも述べている。「利用可能な情報源によると黒海艦隊司令官も死亡者に含まれる。死亡者の多くは、遺体の断片が一致せず、まだ身元が特定されていない」

ロシア当局は、ソコロフが出席しているとされる会議の写真を公表したあと、動画も共有した。ウクラインスカ・プラウダの報道では、問題の動画には、オンライン参加したとされるソコロフが「画面上で完全に静止している」ように見えることなど、いくつか疑わしい点があると指摘されている。動画のうち、カットが切り替わった5秒間に映るソコロフは、眼鏡をかけており、やはり静止したままのように見える。
(翻訳:ガリレオ)

 

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中