最新記事
サミット

G20サミットが閉幕、ウクライナでの武力停止求める首脳宣言採択 ロシア非難は避ける

2023年9月11日(月)09時20分
ロイター
インドのモディ首相、米国バイデン大統領ほかG20サミットに出席した各国首脳

インドの首都ニューデリーで開いた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は9月10日、閉幕した。写真は出席した各国首脳。ニューデリーで代表撮影(2023年 ロイター)

インドの首都ニューデリーで開いた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は10日、閉幕した。ウクライナ情勢を巡り参加国間の対立が深まる中での開催となったが、9日に宣言を採択した。

焦点となったロシアのウクライナ侵攻に関する記述は、ウクライナ戦争でロシアを非難することは避けたものの、紛争が引き起こした人的被害を強調し、領土を奪うために武力を行使しないよう全ての国に呼びかけた。

議長を務めたインドのモディ首相は、11月に再びG20首脳によるオンライン協議を開く意向を明らかにした。

今回のG20サミットは、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が欠席した。ウクライナ情勢を巡り欧米諸国とロシアが対立する中、首脳宣言の取りまとめを不安視する声が上がっていた。

ロシア代表として主席したラブロフ外相は、今回のG20サミットが成功したとの認識を示した。

ドイツと英国も宣言を評価した。一方、ウクライナは宣言に「誇れるものは何もない」と指摘。ウクライナが出席していれば参加者は状況をより理解できただろうと不満を示した。

フランスのマクロン大統領は、国際経済をテーマにするG20はウクライナ侵攻の外交的な進展を期待する場ではないと述べた。

岸田文雄首相は、ロシアによるウクライナ侵攻はG20における協力関係を揺るがしかねないとの認識を示した。

宣言では、ウクライナとロシアからの穀物、食料、肥料の安全な輸送に向けた黒海イニシアチブの復活も求めた。

トルコのエルドアン大統領は、ロシア、ウクライナ、トルコの3カ国がウクライナ産の穀物輸出合意について協議を継続すると表明した。

また、モディ氏はアフリカ連合(AU)を正式メンバーに加えるよう提案し、賛同を得た。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

台湾輸出額、2カ月連続で過去最高更新 米関税巡り需

ビジネス

独裁国家との貿易拡大、EU存亡の脅威に=ECBブロ

ビジネス

ドイツ輸出、5月は予想以上の減少 米国向けが2カ月

ビジネス

中国自動車販売、6月は前年比+18.6% 一部EV
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 9
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中