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イラン、オマーン湾で石油タンカー2隻の拿捕図り発砲も 米海軍が阻止

2023年7月6日(木)10時01分
アメリカとイランの国旗

米海軍は、イラン海軍の艦艇がオマーン湾でタンカー2隻を拿捕しようとしたため、阻止したと発表した。写真はイメージ(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration//File Photo)

米海軍は5日、イラン海軍の艦艇がオマーン湾で商業タンカー2隻を拿捕しようとしたため、阻止したと発表した。

このうち1隻はマーシャル諸島船籍の石油タンカー「TRF Moss」で、オマーン湾の国際水域でイランの艦艇が接近したという。

米海軍は「イラン船は、米海軍の誘導ミサイル駆逐艦USSマクフォールが到着した時に現場を離れた」と声明で説明。海上哨戒機を含む監視資産を配備したことを明らかにした。

海軍はまた、その数時間後にバハマ船籍の石油タンカー「リッチモンド・ボイジャー」から救難信号を受信。別のイラン船が同タンカーに停止を呼びかけながら、1マイル(約1.6キロ)以内まで接近していたとした。

マクフォールが最大速度で同タンカーに進路を向け、現場に到着する前にイラン船が発砲したという。

海軍は「リッチモンド・ボイジャーに大きな損傷はなく、死傷者も出なかったが、乗組員の居住空間付近の船体に数発の弾丸が命中した。イラン船はマクフォールが到着した時に現場を去った」とした。

米石油大手シェブロンはリッチモンド・ボイジャーを運営しており、乗組員が無事だったことを確認した。同タンカーは通常通り運航しているという。

船舶データベースのエクアシスによると、TRF Mossの運営会社はシンガポールを拠点とするNavig8 Chemicals Asiaとなっているが、同社はこのタンカーと無関係だとロイターに述べた。現時点で運営会社は特定できていない。

国営イラン通信(IRNA)は5日、イラン当局がこの件についてまだコメントしていないと伝えた。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の報道官は「米国はホルムズ海峡やその他の重要な水路の航行の自由を確保するため、世界の同盟国や中東地域のパートナーとともに、イランの攻撃に対応していく」と述べた。

[ロイター]


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