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「さよなら中国...」中国人学者が言えなかった、外国人が大量出国する「本当の理由」とは?

2023年6月19日(月)13時15分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)
香港

金融ハブの香港からも外国人は流出している PAUL YEUNGーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

<2010~20年に中国におけるフランス人在住者は40%減、アメリカ人は23%減った。滞在に関する「煩雑な手続き」を中国の学者は理由に挙げるが......>

中国で先進国出身の外国人居住者が急減している──

先日、中国の著名な金融学者で言論人の王文(ワン・ウェン)が講演で、そんな興味深い指摘を行った。2010~20年にフランス人在住者は40%減。アメリカ人は23%減ったという。

王によれば、中国の総人口に外国人住民が占める割合は0.05%未満(韓国は約4%で、日本は約2%)。煩雑な手続きや外国人嫌悪が減少の原因だと語った。

王が口にできないもう1つの理由は、国家による締め付けだ。中国では、旅行者をはじめとする外国人が、配車アプリやチャットアプリにアクセスしにくくなる一方。

当局の管理体制が強化され、今では友人宅に1泊するだけでも、警察への届け出を怠ってはならない。ネット検閲もこれまで以上に浸透している。

だが03~18年まで中国で暮らした筆者の考えでは、減少の最大の理由は暗い先行きだ。現政権の下、中国の基本的人権状況は後退を続けている。

From Foreign Policy Magazine

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