最新記事
2024米大統領選

候補者乱立する米共和党、大統領予備選はトランプに有利へ?

2023年6月7日(水)12時18分
ロイター
フロリダ州のロン・デサンティス知事

2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事には逆風となりかねない。Scott Morgan-REUTERS

2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事には逆風となりかねない。共和党員やストラテジストはこのようにみている。

大統領選の本選で民主党の現職ジョー・バイデン氏に勝つ上で、トランプ氏では有権者の好き嫌いが分かれ過ぎて広範な支持を得られないと一部の共和党関係者は懸念している。

彼らにとって、予備選で候補者が乱立すれば反トランプ票が分散し、結局、トランプ氏が党候補指名を獲得するという2016年の「悪夢」が再現される恐れがあるからだ。

今週中にはマイク・ペンス前副大統領やクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事が党候補指名レースへの立候補を正式表明する予定で、トランプ氏に挑む参戦者は2桁になろうとしている。

一方、政治アナリストの分析では、トランプ氏は共和党有権者の少なくとも3分の1を占める「岩盤支持層」を、指名争いを勝ち抜く力にできる。

デサンティス氏は積極的にこのトランプ氏支持層を取り込もうとしているが、今のところ引きはがされる有権者はほとんどない見込み。政治アナリストによると、デサンティス氏が候補指名獲得に望みを持つとすれば、むしろ残りの7割前後に上る共和党有権者の大部分を味方に付ける努力が必要だ。

これらの有権者を巡り、デサンティス氏は他の候補者としのぎを削らなければならない。確かに多くは世論調査で支持がほとんど記録されないほどの泡沫(ほうまつ)候補だが、デサンティス氏がトランプ氏打倒に必要な党内の連携を模索するのを妨げる可能性がある。

メリーランド州前知事でトランプ氏を激しく批判しているラリー・ホーガン氏は「われわれは16年と同じ過ちを犯そうとしているように見えて心配でならない」と話す。

トランプ氏に挑戦するためにホーガン氏は共和党候補指名レースに出馬することを真剣に検討したが、今年になって立候補見送りを決めた。その理由は、候補者が多数になれば、16年にトランプ氏が主要17候補を倒して指名を得た光景が繰り返されるだけだとみなしたからだ。

共和党穏健派として党の「脱トランプ」を推進したいホーガン氏はインタビューで、トランプ氏と戦うには世論調査の支持率が全て1桁の候補10人かそれ以上がひしめき合うよりも、1人か2人の強力な候補がいる状況が好ましいと主張。候補者乱立で得をするのはトランプ氏だけなのに「何度も同じことを繰り返しながら違う結果を期待するのは、正気の沙汰ではない」と言い切った。

実際、5日には共和党穏健派でニューハンプシャー州知事のクリス・スヌヌ氏が出馬取りやめを発表。CNNテレビで、党のトランプ色をなくすために外部から「率直かつ遠慮のない意見」を届けていきたいとの考えを示した。

日本企業
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ドバイの米オラクル施設に迎撃破片が落下、負傷者なし

ワールド

トランプ政権による大学への人種データ開示命令を仮差

ビジネス

アングル:トランプ関税で変わる米国のメニュー、国産

ワールド

米戦闘機2機、イランが撃墜 乗員2人救助・1人不明
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    60年前に根絶した「肉食バエ」が再びアメリカに迫る.…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中