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候補者乱立する米共和党、大統領予備選はトランプに有利へ?
2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事には逆風となりかねない。Scott Morgan-REUTERS
2024年の米大統領選に向けた共和党予備選に、参戦者が続々と現れてきた。こうした状況はドナルド・トランプ前大統領の勝利につながり、最大のライバルであるフロリダ州のロン・デサンティス知事には逆風となりかねない。共和党員やストラテジストはこのようにみている。
大統領選の本選で民主党の現職ジョー・バイデン氏に勝つ上で、トランプ氏では有権者の好き嫌いが分かれ過ぎて広範な支持を得られないと一部の共和党関係者は懸念している。
彼らにとって、予備選で候補者が乱立すれば反トランプ票が分散し、結局、トランプ氏が党候補指名を獲得するという2016年の「悪夢」が再現される恐れがあるからだ。
今週中にはマイク・ペンス前副大統領やクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事が党候補指名レースへの立候補を正式表明する予定で、トランプ氏に挑む参戦者は2桁になろうとしている。
一方、政治アナリストの分析では、トランプ氏は共和党有権者の少なくとも3分の1を占める「岩盤支持層」を、指名争いを勝ち抜く力にできる。
デサンティス氏は積極的にこのトランプ氏支持層を取り込もうとしているが、今のところ引きはがされる有権者はほとんどない見込み。政治アナリストによると、デサンティス氏が候補指名獲得に望みを持つとすれば、むしろ残りの7割前後に上る共和党有権者の大部分を味方に付ける努力が必要だ。
これらの有権者を巡り、デサンティス氏は他の候補者としのぎを削らなければならない。確かに多くは世論調査で支持がほとんど記録されないほどの泡沫(ほうまつ)候補だが、デサンティス氏がトランプ氏打倒に必要な党内の連携を模索するのを妨げる可能性がある。
メリーランド州前知事でトランプ氏を激しく批判しているラリー・ホーガン氏は「われわれは16年と同じ過ちを犯そうとしているように見えて心配でならない」と話す。
トランプ氏に挑戦するためにホーガン氏は共和党候補指名レースに出馬することを真剣に検討したが、今年になって立候補見送りを決めた。その理由は、候補者が多数になれば、16年にトランプ氏が主要17候補を倒して指名を得た光景が繰り返されるだけだとみなしたからだ。
共和党穏健派として党の「脱トランプ」を推進したいホーガン氏はインタビューで、トランプ氏と戦うには世論調査の支持率が全て1桁の候補10人かそれ以上がひしめき合うよりも、1人か2人の強力な候補がいる状況が好ましいと主張。候補者乱立で得をするのはトランプ氏だけなのに「何度も同じことを繰り返しながら違う結果を期待するのは、正気の沙汰ではない」と言い切った。
実際、5日には共和党穏健派でニューハンプシャー州知事のクリス・スヌヌ氏が出馬取りやめを発表。CNNテレビで、党のトランプ色をなくすために外部から「率直かつ遠慮のない意見」を届けていきたいとの考えを示した。