最新記事

ウクライナ情勢

ロシア国防省「ターミネーター」の実戦映像を公開

2023年1月27日(金)21時20分
川口陽
戦車支援戦闘車BMPT

戦勝記念日パレードのリハーサルで披露されたBMPT(2019年5月7日、モスクワ) Shamil Zhumatov-REUTERS

<戦車支援戦闘車BMPT(通称ターミネーター)が確認されるのは極めて稀>

今週初め、ウクライナ東部ルハンシク州クレミンナ周辺の森林地帯でロシア軍の戦車がウクライナ軍に激しい攻撃を仕掛ける映像がネット上に公開された。

【動画】ロシア国防省が公開したBMPTの実戦映像

元米海兵隊員で外交政策研究所シニアフェローのロブ・リーは、ロシアの戦車支援戦闘車「BMPT(通称ターミネーター)」が前線で戦車と作戦を共にする「珍しい映像」をツイッターで紹介した。

ロシア軍は、敵歩兵による死角からの攻撃に弱い戦車に随伴し、護衛する対人戦用の戦闘車としてBMPTを開発。ただし、保有台数が非常に限られており、目撃されることは極めて稀だという。

ドローンが捉えた映像からは、凄まじい数の砲弾が森の中の標的へと放たれ、時折木が倒れる様子が確認できる。20年12月のビジネスインサイダーの記事によると、BMPTには多数の武器が搭載され、複数のターゲットを同時に攻撃できるよう設計されている。5人のオペレーターの搭乗が可能で、そのうち4人が兵器を操作する仕様だ。

ロシア国防省系のテレビ局「ズベズダ」は、この1分弱の映像は同省が公開したもので、無人機によってウクライナ軍の位置を特定したと報道。動画後半には、ウクライナ軍のものと見られる損傷した戦車と、戦車から飛び降りて森へ這っていく兵士の姿が映し出されている。

昨年2月のロシアによる侵攻開始からすでに11カ月が経過。25日には米独がウクライナへの主力戦車の供与を発表した。西側諸国からの兵器や弾薬の援助を受け、ウクライナ軍も応戦を続けている。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米ウェイモ、来年自動運転タクシーをラスベガスなど3

ビジネス

欧州の銀行、米ドル資金に対する依存度高まる=EBA

ワールド

トランプ氏、NY市長選でクオモ氏支持訴え マムダニ

ワールド

ウクライナ、武器輸出・共同生産拠点を独とデンマーク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中