最新記事

ウクライナ情勢

【映像】クリミアとロシア結ぶ橋で爆発、3人死亡 供給路に打撃

2022年10月9日(日)10時00分
クリミア大橋が爆発する瞬間

クリミア大橋が爆発する瞬間 The Sun / YouTube

ロシアが2014年に併合したウクライナ南部のクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋で8日早朝、大規模な爆発が発生した。ロシアにとってはウクライナに展開する部隊への重要な供給ルートへの打撃となる。

ロシアの国家反テロ委員会は、午前6時7分に貨物トラックが爆発したと発表。橋の道路部分が2カ所崩壊したが、黒海とアゾフ海を往来する船舶が通る水路にかかるアーチは損傷していないという。画像では道路橋の半分が崩落している。

ロシアのプーチン大統領は、クリミア大橋と半島に電気とガスを供給するインフラの安全強化を指示。また、調査委員会の設置も命じた。

当局によると、爆発で近くを走行していた車に乗っていたとみられる3人が死亡した。また、燃料輸送列車7両も炎上した。

車両の通行道路は爆発から約10時間後に制限付きで再開され、運輸省はその後に鉄道の再開も認めた。

爆発が攻撃かどうかはまだ明らかではないが、ロシアがウクライナの戦況で劣勢に立たされる中、こうした大規模インフラへの被害は作戦が計画通りとするロシアの主張がさらに揺らぐことになる。

ロシアが統治するクリミアのアクショーノフ首長は、半島には1カ月分の燃料と2カ月分以上の食料があると指摘。また「状況は管理可能だ。不愉快だが、致命的ではない」と記者団に述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日のビデオ演説で、爆発には言及せず、クリミアは曇っていると指摘。「ただ、どんなに曇っていてもウクライナ人は知っている。私たちの未来は晴れだ。これはわれわれの領土全体、特にクリミアに占領者のいない未来だ」と述べた。

また、ポドリャク大統領顧問は直接の関与には言及せず、これは「始まり」で「違法な物は全て破壊する必要がある」などとツイッターで表明した。さらに、トラックがロシアからクリミアに向かっていたことから、爆発にはロシア人が関与したことを示していると述べた。

クリミア大橋は全長19キロ。クリミアをロシアにつなぐ自動車と鉄道の専用橋で2018年に開通し、開通式にはプーチン大統領も出席した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【動画】クリミア大橋、爆発の瞬間


クリミア大橋が爆発する瞬間の映像 The Sun / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国は「経済的大惨事」に、関税違憲判断なら トラン

ワールド

ウクライナ当局、国営原子力企業が絡む大規模汚職捜査

ビジネス

NY外為市場=円下落・豪ドル上昇、米政府再開期待で

ワールド

再送-〔マクロスコープ〕高市氏、経済対策で日銀に「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 7
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中