最新記事
アフリカ

MISIAが語る──アフリカの子どもが描いた絵を通して心に触れること

2022年9月15日(木)11時30分
※TOKYO UPDATESより転載

──子どもたちの絵をご覧になって、どんな印象を持ちましたか?

絵の傾向が微妙に違うのが面白いですね。マゴソスクールでは、絵を描くことによって心のケアを行うことに力を入れていて、講師として、自身がアートに救われたという卒業生もサポートしていると聞きました。ですから絵が多様なんですよね。大人が「どんなことを感じているの?」と尋ねてきっかけを与えると、子どもは少しずつ心を開いてくれますし、表現の仕方がわかってくるのか、いろんな絵を描いています。

──心のリハビリに、絵が役立っているのですね。

その講師は少年時代にご両親を感染症で亡くし、独りで山の中で隠れて暮らしていました。保護されてマゴソスクールに来たのですが、最初はなかなか喋らなくて。絵を描くことが大好きで、絵を描かせているうちに話すようになったそうです。アートは心を支えてくれる。だから人間にとって一番大事な、生きる力を出させるために、絵を教え始めたんじゃないかと思います。

tokyoupdates220915_5.jpg

マゴソスクールの教室の風景。

──ザンビアの子どもの絵にはどんな特徴がありますか?

絵のテーマは"わたしの大切なモノ"。難民の子どもが通う学校の絵は、人の絵が多いという印象があります。お母さん、お父さん、友達とか。定住を決めた家族の子どもは、家や車をよく描いているなと思いました。大体の場合、与えられた土地を自分たちで整地して家を建てるんですよ。やっと大切な家族を守る場所ができたことが誇らしく、嬉しいのではないでしょうか。

tokyoupdates220915_6.jpg

ザンビアの子どもたちと絵。人物や車をのびのびと描いている。

──作品をご覧になる方々に、どんなメッセージを発信したいですか?

「子どもたちの心に触れてください」と伝えたいです。私たちを動かすものは心だと思うので。そうしてアフリカやTICADについても、ぜひ知っていただきたいです。「東京」を名前に冠した国際会議であり、「Tokyo International Conference」としてアフリカの方々に認知されているわけですから。東京で暮らしている人は必ず知っている――くらいの状況になってほしいですね。

tokyoupdates220915_7.jpg

MISIA氏は4点をMISIA賞に選んだ。気になる作品が多く選考は苦労したという。左からMISIA賞に輝いた、ケニア・マゴソスクールの11歳の作品『友達』、ザンビア元難民再定住地域内・学校Hの14歳の作品『お母さん』。

tokyoupdates220915_8.jpg

MISIA賞に選ばれた作品、左からザンビア元難民再定住地域内・学校Hの10歳の作品『お父さん』、ザンビア難民キャンプ地内・学校ABの5年生の作品、無題。

※続編はこちら
Part2: MISIAが語る―多彩なアフリカを「知る」ことから始めてみてほしい

tokyoupdates220915_misia.jpg

MISIA

1998年デビュー。国民的歌手として東京2020オリンピック競技大会開会式で国歌を斉唱。社会貢献活動にも積極的でアフリカで子どもたちの教育支援等を実施。アフリカ開発会議などの国際会議の名誉大使も歴任している。2023年にデビュー25周年を迎え、2022年秋から全国ツアー「25th Anniversary MISIA THE GREAT HOPE」を開催予定。
https://www.misia.jp/
Photo: ©︎Rhythmedia


『mudef x junior artists MISIA HEART FOR AFRICA: 子ども絵画展 "わたしの大切なモノ"』

開催期間:2022年8月8日~2022年9月30日
(会期中無休、開場時間は丸の内ハウスの営業時間に準じます)
会場:新丸ビル7F 丸の内ハウス ライブラリー
東京都千代田区丸の内1-5-1
入場無料
https://mudef-africanart.com/
※会期終了後も公式ウェブサイトで作品を公開

取材・構成/新谷洋子
写真提供/一般財団法人mudef

※当記事は「TOKYO UPDATES」からの転載記事です。
logo_tokyoupdates.png

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクG、25年4―12月純利益5倍 AIブ

ビジネス

キオクシアHD、26年3月期純利益最大88.7%増

ビジネス

日本車やドイツ車など、中国経由でロシアに流入 制裁

ワールド

ロシア、キューバに原油・燃料を近く供給へ=イズベス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中