最新記事

韓国

「これではまるで妓生!」 韓国政府、ヴォーグとコラボした大統領府ファッション撮影で炎上

2022年8月27日(土)18時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
炎上したヴォーグ・コリアのファッション写真

炎上したヴォーグ・コリアのファッション写真 MBN News / YouTube

<K-POPの次は伝統文化の発信! と意気込んだ企画が国会を巻き込む大炎上に......>

韓国の大統領府「青瓦台」の迎賓館でモデルのハン・ヘジンがピンクの花で飾られたドレスを着て椅子に横になって優雅にポーズをとっている──

これは韓国政府の文化遺産ツアーキャンペーンとファッション誌ヴォーグ・コリアがコラボした「大統領府そしてファッション!」という企画で、韓国の伝統衣装「韓服(ハンボク)」(チマチョゴリ)を大統領府で撮影したファッショングラビアだ。

■【動画】韓国政府、ヴォーグとコラボして炎上した写真

ところがヴォーグ・コリアが特集ページを22日にウェブサイトに公開したとたんに炎上、政治問題にも発展している。MBNなど韓国メディアが伝えた。

かつての大統領公邸、青瓦台とは?

今回の問題は撮影場所が大統領府青瓦台という特別な場所であったことにある。

韓国大統領府はソウル市の中央にあり、日本統治下に作られた旧朝鮮総督官邸を1948年に当時の李承晩(イ・スンマン) 大統領が大統領執務室として利用し始めた。本館の屋根が青い瓦になっていることから別名青瓦台とも呼ばれる。1991年には現在の新たな大統領官邸が建てられ、それまでの大統領官邸は1993年10月に解体された。

2022年の大統領選挙で当選した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、就任以前から大統領執務室や秘書室をソウル市龍山区に移転することを選挙公約にしており、公約通りに5月10日の就任日当日から大統領府青瓦台は大統領執務室兼官邸としての役目を終えた。

現在は市民公園として国民に解放され、今後歴代の大統領に対する歴史博物館のような形で運営される予定だ。

newsweek_20220827_180413.jpg

炎上の原因とは

今回炎上の原因となったのは、歴代大統領が執務室として利用してきた歴史的な建造物である大統領府でファッション・グラビアを撮影するのが適切かという問題から、モデルたちの大胆な衣装やポーズも俎上に上がっている。

文在寅(ムン・ジェイン)政権で大統領府儀典秘書官をつとめた卓賢民(タク・ヒョンミン)は、今回のヴォーグ・コリアのグラビア写真について、日本統治下に朝鮮時代の宮殿・昌慶宮が動物園に変えられたことを引き合いに出して連日批判している。

「ヴォーグの撮影は今、起きている事件の一つであるだけで、問題の核心は、拙速に大統領府を開放したことと、大統領府をどう活用するかについての真剣に検討されていなかったという点です」

「『韓服を広報するために撮影した』と説明していたが、他にもいろいろな服装もあり、しかも日本のアバンギャルドを代表するデザイナー岡﨑龍之祐の作品もあった」

一方で卓氏は「モデルのハン・ヘジン氏は、何の問題もない。問題は政府の未熟さとアーティストやアーティスト集団の評判に害を及ぼすことである」とも語った。

ヴォーグ・コリアは一連の騒動を受けて、「大統領府そしてファッション!」の特集記事と写真をウェブサイトやSNSからすべて削除した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州委、ロ産原油輸入停止法案先送り 「地政学的状況

ワールド

米TSA職員450人超辞職、2月政府閉鎖以降 空港

ワールド

世界経済フォーラム、サウジで4月開催の会議延期 「

ワールド

中国外相、和平交渉の早期開始呼びかけ イランのアラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 2
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 6
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 7
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 8
    表情に注目...ニコール・キッドマン、大富豪夫妻から…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中