最新記事

ロシア

頭蓋骨を片手にウクライナ人絶滅を誓う狂信的愛国主義者

Video Shows Russian Fighter With Ukrainian Skull, Says He'll Make a Goblet

2022年8月29日(月)17時59分
トーマス・キカ

ウクライナ南東部の要衝マリウポリを守るためアゾフスターリ製鉄所に籠城して戦った兵士たち Dmytro Orest Kozatskyi/Azov regiment press service /Handout/REUTERS

<不快な動画が波紋を広げている。頭蓋骨はアゾフスターリ製鉄所で戦ったウクライナ人兵士のものだという>

ロシア人兵士が、死亡したウクライナ人の頭蓋骨を手に、さらなる暴力を誓うという不快な動画がSNSで話題になっている。

この動画がツイッターに投稿されたのは8月28日。投稿したのはウクライナ人活動家のセルヒー・ステルネンコで、それから数時間のうちに再生回数は20万回、リツイートも9000件を超えて大きな話題となった。

問題のロシア人兵士(36)は動画の中でナイトクラブのステージと思われる場所に立ち、群衆を前に演説している。ロシア人兵士いわく、頭蓋骨はロシア軍との戦闘中に死亡したウクライナ兵のものだという(デニス・カザンスキーというツイッターのユーザーは、このロシア人兵士は傭兵だと指摘した)。

【動画】ウクライナ兵の頭蓋骨を掲げて殺しを煽るロシア兵

「この男はイゴール・マングシェフだ」と、ステルネンコは連続ツイートの冒頭で述べた。「虐殺をやるために戦争に参加したロシア兵だ。動画の中で彼は自分で認めている。この戦争の主目的は、ウクライナ人だと彼が判断した人間全てを殺すことだそうだ。だからマングシェフは人間の頭蓋骨を手にしている」

「彼によれば、これはアゾフスターリ製鉄所にこもってロシア軍と戦ったウクライナ兵の頭蓋骨だという......ロシアは打倒すべき究極の非人道的組織だ」

マングシェフは動画の中で、ウクライナの「非ウクライナ化」を呼びかける。

「われわれは血肉を持つ人間と戦争をしているのではない」とマングシェフは動画の中で述べている。「われわれは反ロシア的な国家としてのウクライナという概念と戦争をしている。われわれは生きていて、この男(頭蓋骨)はもう死んでいる。地獄の業火で焼かれればいい。彼は運が悪かった。彼の頭蓋骨でゴブレットを作ろう」

ロシアの愛国主義民兵集団ENOTのリーダーともみられるマングシェフはまた、テレグラムで、ウクライナ人とそのアイデンティティーへのさらなる暴力を呼びかけた。「われわれはお前たちの家を燃やし、家族を殺し、子供をさらってロシア人に育てるのだ」

ニューズウィーク日本版 非婚化する世界
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月17日号(6月10日発売)は「非婚化する世界」特集。非婚化と少子化の波がアメリカやヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中