最新記事

北朝鮮

愛と慈悲に満ちた、心優しい将軍様へ──ソフト路線にイメチェン中の金正恩

A New Public Persona

2022年8月22日(月)13時25分
エマ・ナイモーン(朝鮮半島研究者)

金正恩体制は国民をもっと支配したいと望んでいるが、そのための手段はそれほど持ち合わせていない。その中で、個人の感情の操作は安上がりで、北朝鮮の歴史そのものが証明するように効果的だ。

国民の多くは金正日時代に、政府から見捨てられたように感じていたが、それは金日成政権が育んだ「愛」の路線から意図的に脱却するためのものだった。金日成時代の北朝鮮は、自分たちは世界のどこよりも恵まれているという物語を国民が信じられる程度に世界から孤立し、国にも国民を養う余裕があった。

金正恩は今、微妙なバランスに挑んでいる。金一族の支配者に対する崇拝を国内で醸成しつつ、強権的な政策を国民に課しているのだ。金正恩の人間的で思いやりのある姿を示すことによって、国民が彼の政策に対して寛容になるのではないかと期待しているのかもしれない。

北朝鮮の国営メディアが大多数の国民に、前の世代が金正恩の祖父に抱いたものと同じ感情を育むことができれば、政権は神話を不朽のものにし、その神話によって政権が維持されるだろう。

©2022 The Diplomat

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルのレバノン「大規模地上攻撃」回避を、英仏

ワールド

EU、エネルギー価格抑制策を計画 炭素排出権拡大な

ワールド

イラン攻撃の米軍負傷者約200人に、大半は軽傷=中

ワールド

トランプ氏、訪中「約1カ月」延期要請 対イラン作戦
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中