最新記事

ミャンマー

少女ら2人をレイプし殺害、全裸のまま崖に放置 ミャンマー国軍兵士の蛮行明らかに

2022年8月25日(木)17時15分
大塚智彦
プラカードを手に抗議する女性

軍政の横暴に抗議するミャンマー市民 Soe Zeya Tun - REUTERS

<多くの民家が放火され、20人以上の住民が殺害された──>

軍事政権と武装市民組織による戦闘が激化して実質的な「内戦」状態にあるミャンマーで軍兵士が10代の少女を含む女性2人に対してレイプした後に殺害、遺棄したことが明らかになり、軍政に抵抗する民主派市民に衝撃を与えている。

レイプや殺害は今のミャンマーでは日常茶飯事のように起きているが、今回はレイプされた後に殺害された2人の女性の遺体が全裸で崖に捨てられるように放置されていた実態が地元の武装市民勢力などによって明らかにされたことから軍兵士の蛮行、人権侵害の実態が浮き彫りになり、抵抗勢力は怒りを新たにしているという。

これはミャンマーで反軍政を掲げる独立系メディアが伝えたもので、北西部サガイン地方域のインマビン郡区インバウンテン村で8月11日起きたものだが、現地では軍による作戦が21日まで続いていたため詳細が22日になって明らかになったとしている。

ヘリからの攻撃後降下した兵士が発砲

報道によると8月11日午後3時ごろ、インバウンテン村の上空に軍のヘリ3機が現れ、地上に向かって発砲を繰り返した。

11日は同村の市場が開かれる日にあたり、市場周辺は大勢の市民で溢れていた。上空からの銃撃で市場は大混乱となり、市民は四方八方に逃れた。地上の部隊は市場周辺で市民に向けて無差別発砲し、牛や馬、犬など動くものを全て標的にしていたという。

市場から逃げる市民の中にいた2人の女性、16歳の少女と20歳の女性は村の東部に向かって逃走したが、東部にヘリから降下した約60人の兵士に発見され、身柄を拘束されたという。

その後、郊外の崖に全裸の2人の遺体が放置されているのが発見された。遺体には暴力とレイプの痕跡があり、周辺には軍靴の足跡、殺害前に2人が抵抗した様子が残されていたという。

地元の武装市民組織「国民防衛軍(PDF)」は被害者の2人の女性の身元を特定したが、プライバシー保護のため公にすることを控えているという。しかし報道された記事には説明がないまま2人の女性の生前の姿と思われる写真が掲載されており、軍への怒りと同時に市民の涙を誘っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中