最新記事

ロシア

カメラが捉えたプーチン「屈辱の50秒」...トルコ大統領、2年前の「仕返し」か

Watch Impatient Putin Get Bored Waiting 50 Seconds For Erdogan To Arrive

2022年7月22日(金)17時50分
デーン・エネリオ
プーチンのイラン訪問

イランのテヘランを訪問したプーチン(2022年7月19日) WANA (West Asia News Agency)/Handout via REUTERS

<これまで何人もの各国首脳を「待たせて」きたプーチンだが、カメラの前で50秒もエルドアン大統領を待たされるという屈辱を味わうことに>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がイラン訪問中に、カメラの前で1分近くもひとりで立ったまま、会談相手を待たされるという珍しい一幕があった。

【動画】カメラの前で1分近くも手持ち無沙汰で待たされるプーチン

プーチンは7月19日、訪問先のイランでシリア情勢について協議するため、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領と会談。トルコ国営のアナドル通信が撮影した映像には、エルドアンが部屋に入ってくるまで50秒にわたって待たされるプーチンの姿が捉えられていた。

ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、プーチンはエルドアンが自分の後について来ていると思って、会談の部屋に入ったのだという。

この2人は2020年にもモスクワで会談を行っているが、その際には今回とは逆に、エルドアンが随行団と共に、部屋の外で2分近くにわたってプーチンを待っていた。そもそもプーチンの「遅刻」は珍しいことではなく、かつてドイツのアンゲラ・メルケル首相やウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領、日本の安倍晋三総理大臣(いずれも在任当時)などと会談した際にも、彼らを何時間も待たせたことで知られている。

2年前とは2人の立場が逆転?

ワシントン・ポスト紙によれば、2020年にエルドアンが待たされた一件については、多くのトルコ国民が怒りの声を上げたという。アラブ首長国連邦のザ・ナショナル紙の上級特派員であるジョイス・カラムは、プーチンがイランで待たされたのは、この一件に対する「ささやかな仕返し」だったと指摘する。

さらにカラムは、「プーチンがエルドアンに待たされ、カメラの前で居心地が悪そうにしていたあの50秒間は、ロシアによるウクライナ侵攻後に起きた大きな変化を物語っている」とツイッターに投稿した。

ロシアがウクライナへの侵攻を開始して以降、トルコは和平交渉の仲介役としての立ち位置を確保しており、これまで複数回にわたって両国や西側諸国の首脳の会談を取りもってきた。

プーチンは今回のイラン訪問でエルドアンと会談を行ったほか、イランの最高指導者のアリ・ハメネイ師とイブラヒム・ライシ大統領とも会談を行った。ウクライナ侵攻以降、ロシアが西側諸国からのさまざまな制裁に直面しているなか、今回の訪問でプーチンは、新たな協力関係の構築を期待していたと報じられている。

ライシによれば、会談では2国間の安全保障面での協力の「大幅な」強化について協議がなされたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、5兆ドル住宅ローンの金利引き下げへ 9月中に

ビジネス

キリンHD、ファンケルへのTOB成立 完全子会社化

ワールド

タイ新首相、国会で政策提案 デジタル通貨給付・カジ

ワールド

中国商務相、欧州委通商トップと19日会談へ EV関
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 4
    公的調査では見えてこない、子どもの不登校の本当の…
  • 5
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 8
    恋人、婚約者をお披露目するスターが続出! 「愛のレ…
  • 9
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンシ…
  • 10
    数千度の熱で人間を松明にし装甲を焼き切るウクライ…
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 3
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    「私ならその車を売る」「燃やすなら今」修理から戻…
  • 10
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中