最新記事

自転車

タイヤは半分、それでも走る 「0.5 x 2 = 1自転車」が話題に

2022年7月13日(水)17時50分
青葉やまと(Pen Onlineより転載)

これでも問題なく走る...... The Q- YouTube

<車輪が半分にカットされたような形状の自転車が話題だ>

ウクライナの科学・工作系YouTubeチャンネル「The Q」が、奇抜な自転車を自作し話題を呼んでいる。車輪が半分にカットされたような形状だが、それでも問題なく走る。

後輪は半月形の2つのタイヤから成り、それぞれが回転しながら交互に車体を支えるしくみだ。どこか破綻しそうでいながら、それでも問題なくスムーズに走っている様子がなんとも不思議な感覚を与えてくれる。ある瞬間には、まるでどのポイントも後部を支えていないのに宙に浮いているような、奇妙な感覚を覚える。

風変わりな自転車を作り上げたのは、同チャンネルを運営するエンジニアのセルゲイ・ゴルディーエフ氏だ。同チャンネルはユニークな工作を発表することで人気となっており、1300万人近い登録者数を誇る。今回の自転車の動画は、6日間で3000万回(7月13日現在で7900万回)という驚異的なペースで再生されている。

後輪が半分に割れていることで利点があるわけではないのだが、それでも見ずにはいられない。危うげで不思議な感覚が視聴者を魅了しているようだ。

変速にも対応のていねいな仕事

動画のなかで明かされている製作工程では、氏がタイヤをていねいに分解・切断し、2本の半円のタイヤに仕上げていく様子を確認できる。1つのタイヤを単純に分割したようにも思えるが、自転車本体と接続する中心のハブ部分は2つ必要だ。

このため、後輪用だけで2本のタイヤを用意するという、かえってコストのかかるプロジェクトとなったようだ。それぞれから中心部分を含む半円を1つずつ切り出している。さらに、自作のギアを双方の後輪に取り付け、変速にも対応する凝ったつくりだ。

気になるのは、切断されているタイヤにどのように空気を注入しているかという点だ。実は後輪に空気は入っておらず、本来タイヤ内部にあるチューブを硬質なゴムチューブに交換することで弾力を確保し、衝撃を吸収している。

完成品を持って公園に赴いた氏が漕ぎ出すと、それなりの段差にも耐えるという予想外の頑丈さとなったようだ。

「車輪の再発明」という慣用句の意味を変える

タイミングよく車体を支えるタイヤ同士のチームワークは、ある種の爽快感を覚えるほどだ。同じ工作系の人気YouTubeチャンネルを運営するレアンドロ・ワグナー氏は、動画のコメント欄を通じ、「実生活ではとても役立たないけれど、創造的でめずらしいコンセプト。おめでとう!」とエールを送った。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ネタニヤフ氏、イラン核問題巡りトランプ氏と協議へ 

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ワールド

ロ、米のカリブ海での行動に懸念表明 ベネズエラ外相

ワールド

ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中