最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍、ウクライナ東部要衝セベロドネツクの橋を爆破 民間人避難ルートを遮断

2022年6月13日(月)09時44分
ドネツク地域を走るウクライナ軍の車両

ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクで、川の対岸の都市につながる橋をロシア軍が爆破し、民間人の避難ルートの1つが遮断された。写真はドネツク地域を走るウクライナ軍の車両(2022年 ロイター/Gleb Garanich)

ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクで、川の対岸の都市につながる橋をロシア軍が爆破し、民間人の避難ルートの1つが遮断された。地元当局者が12日明らかにした。

ルガンスク州のガイダイ知事はセベロドネツクの状況について、ウクライナとロシアの部隊が依然として市街戦を繰り広げていると述べた。

ロシア軍が市の大部分を制圧したが、工業地帯や数百人の民間人が避難している化学工場は依然ウクライナ軍の支配下にある。

だが、ドネツ川をはさんでセベロドネツクと対岸のリシチャンスクを結ぶ橋をロシア軍が爆破。これにより、3本の橋のうち残るは1本となった。

ガイダイ氏は「新たな砲撃で橋が崩壊すれば市は孤立する。車両でセベロドネツクを離れる道はなくなる」と語った。

セベロドネツクの当局者によると、市の約3分の2をロシア軍が掌握する一方、3分の1強はウクライナ軍が依然支配している。

ガイダイ知事は、リシチャンスクではロシア軍の砲撃によって6歳の子どもが死亡したと述べた。

ロイターはこれらの情報を独自に確認できていない。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「占領者の主要な戦略的目標は変わっていない。彼らはセベロドネツクで攻勢を仕掛けており、文字通り1メートルを争う激しい戦闘が行われている」と述べた。またロシア軍がドンバスに予備役を投入しようとしていると指摘した。

一方、ロシアのインタファクス通信は、ウクライナ西部テルノーピリ州で米欧の武器が保管されていた軍事施設をロシア軍の巡航ミサイルが破壊したと報じた。

同州知事は、黒海から発射されたロケット弾によって軍事施設が部分的に破壊され、22人が負傷したと述べた。ある地元当局者は、同施設に武器は保管されていないとしている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・ウクライナのどさくさに紛れて「侵攻」を狙う、もうひとつの旧ソ連の国
・戦況マップ】ロシア軍は数日でこれだけ占領地域を失った
・遺体ばかりか負傷兵も置き去り──ロシア軍指揮官のプロ意識がさらに低下


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終

ビジネス

トランプ大統領、内国歳入庁長官を解任 代行はベセン

ビジネス

アングル:米関税50%の衝撃、インド衣料業界が迫ら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何か?...「うつ病」との関係から予防策まで
  • 3
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トップ5に入っている国はどこ?
  • 4
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 7
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 8
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 9
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 10
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中