最新記事
トルコ

もう「七面鳥」とは呼ばせない トルコの国名が「テュルキエ」に、国連承認

Turkey Informs U.N. it is Rebranding to a Name From 99 Years Ago

2022年6月3日(金)12時42分
アダム・スタテン
トルコと七面鳥

bazilfoto-iStock, efks-iStock

<国連での文書や会合における呼び名が「Turkiye」に変更となったトルコ。99年におよぶ七面鳥と同じスペルの国名に別れを告げた>

国連におけるトルコの国名表記が、正式に「Turkey」から「Turkiye」に変更となった。トルコは以前から現地での呼称である「テュルキエ」への変更を求めており、メヴリュット・チャヴシュオール外相は国連に、呼び名を変えるよう求める書簡を提出していた。

この国が英語で「Turkey」と呼ばれるようになったのは、1923年にケマル・アタチュルクが初代大統領として共和国を建国したときにさかのぼる。だが2021年末には、同国のレジェップ・タイップ・エルドアン大統領が、自国産の製品を輸出する際に貼るシールの表記を「Made in Turkiye」に変更すると発表するなど、変更に向けた取り込みが行われてきた。

国連事務総長の広報官であるステファン・ドゥジャリクも本誌の取材に対し、トルコ外務省が以前から国連での会議や文書において自国を「テュルキエ」と呼んでほしいと求めていたことを認めた。今回の国連の決定は、この要請を受けたものだ。

七面鳥との混同を嫌がっていた?

トルコは最近、フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟することに反対の立場を表明して話題となった。自国の他にアメリカやEUなどにもテロ組織に指定され、トルコ南東部で独立運動(近年は自治権獲得への取り組み)を繰り広げてきたクルディスタン労働者党(PKK)の武装勢力に対し、この北欧2カ国が融和的な態度をとっていることに不満を募らせているためだ。

いずれにせよ今回の変更により、同じ「Turkey」というスペルを持ち、アメリカなどでは11月の感謝祭の休暇中によく食べられることで知られる鳥と混同されることは少なくなるだろう。この鳥を指す呼び名には「間抜け」などあまり良くないニュアンスのイメージも含まれている。実際、同国が表記変更を求めた理由のひとつは、七面鳥とスペルが同じであることを避けるためと見られている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:中国企業、希少木材や高級茶をトークン化 

ワールド

和平望まないなら特別作戦の目標追求、プーチン氏がウ

ワールド

カナダ首相、対ウクライナ25億ドル追加支援発表 ゼ

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中