最新記事

海洋生物

【映像】座礁したクジラを海に返そうと人々が連携、結果は?

2022年5月26日(木)16時30分
若道いつき
座礁したクジラ

Hervey Bay Snake Catchers-YouTube

<打ち上げられたクジラの乾燥を防ぐため背中に水をかける人の姿も>

浜辺に打ち上げられたクジラを海水浴客らが救助する映像がネット上で話題になっている。

20日、豪クイーンズランド州ハービーベイのビーチで座礁して身動きの取れなくなったドワーフミンククジラが発見された。

クジラの座礁は多くの場合、病気やケガで体が弱り、潮に逆らって泳げなくなるために起こる。生きたまま打ち上げられた海棲哺乳類は体を冷却するための水を失い、オーバーヒートを起こしてしまう。世界では毎年約2000頭のクジラが座礁し、残念ながらそのほとんどは死に至る。

地元のヘビ駆除業者であるドリュー・ゴドフリーが撮影したビデオには、座礁したクジラの背中に水をかける人の姿が映っている。クイーンズランド州公園野生生物局は初期評価でこのクジラの状態を「良好」と判断した。

救助隊らは潮の満ち引きに合わせてクジラを誘導し、水深が深くなったところでクジラを放つ。自力で泳ぎ始めたクジラはそのまま沖の方へ向かっていくかと思われたが、やがて進路を変え、浅瀬に戻ってきてしまう。ビーチで見守っていた人たちからは落胆の声が漏れた。座礁した海棲哺乳類は方向感覚を失い、海に返そうとしても戻ってくることがあるという。

救助隊はクジラの体勢を整えると、再び深いところへと移動させる。クジラは尾をパタパタさせ、最後には沖の方へと泳ぎ去っていった。不安そうに眺めていた観衆からも拍手が沸き起こり、今度こそクジラを海に返すことに成功した。

ゴドフリーは「とても感動的だった」とこの瞬間を振り返っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CB消費者信頼感、12月は予想下回る 雇用・所得

ワールド

トランプ氏「同意しない者はFRB議長にせず」、就任

ワールド

イスラエルのガザ再入植計画、国防相が示唆後に否定

ワールド

トランプ政権、亡命申請無効化を模索 「第三国送還可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中