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疲弊する経済、かすむ原発是非の議論 29日投開票の新潟知事選

2022年5月28日(土)11時51分

原発の再稼働は国政レベルでの関心の高さに比べ、地元ではその是非をめぐる議論は盛り上がりに欠く。資料写真、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所、2012年11月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

ホテルニューグリーン柏崎の支配人・柴野孝宏さん(44)は営業環境が思わしくないことに頭を悩ませている。JR柏崎駅前という好立地にあるものの、1998年開業当時の全盛期と比べると169ある部屋の稼働率は現在、半分程度に落ち込んでいる。東京電力・柏崎刈羽原子力発電所のバスツアーなど観光需要が消失したほか、原発作業関係者の宿泊も減っている。

「宿泊者の半分以上が原発関係者という時期が多かったが、今は少ない。昔は2-3カ月の長期出張もあったが、現在は短期でのお客さん」という。原発関係の宿泊客は、全体から見て3割から4割程度といい、安全工事などの作業員が多く、原発が稼働していた時のような定期点検はないため、長期の宿泊客は少なくなっている、と話す。

今月29日に投開票される新潟県知事選挙では、現職の花角英世氏(64)と新人の片桐奈保美氏(72)の2人が立候補。ともに無所属で花角氏は4年間の実績をアピール、片桐氏は原発再稼働への反対を訴えている。

薄れる関心

原発の再稼働は国政レベルでの関心の高さに比べ、地元ではその是非をめぐる議論は盛り上がりに欠く。新型コロナウイルス禍で地元経済が疲弊して関心が生活の立て直しに向かっている影響も大きい。

地元の有力紙、新潟日報が21日に実施した調査によると、今回の県知事選で有権者が最も重視するのは景気・雇用対策(38%)で、原発への対応は8%の5位にとどまった。前回知事選の2018年の時はそれぞれ17.4%、21.7%と原発への対応が最多だった。

18年の県知事選で野党統一候補を支持していた連合新潟は今回、現職支持に転じた。牧野茂夫会長は、「コロナ禍で経済が疲弊しているのが前回と異なる」といい、「有権者は(脱)原発より先に経済対策ではないのか」と理由を説明する。

原発が立地する柏崎市の経済規模をみると、市が独自試算した市内総生産は、12年の3608億円から19年は3211億円に11%縮小。人口も11年1月の9万0998人から22年4月は7万9668人まで減少している。

経済規模縮小の原因について新潟県統計課は「発電電力量がゼロとなり、原発を動かすことによって生み出す付加価値つまり発電金額がゼロになった」ためとみている。

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